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第11話

ガッシャンーー 俺は目の前の扉を蹴り飛ばした。吹っ飛ぶドアの先には呆気な顔した生徒会の奴ら。 ああ、本当にふざけんなよ。 「俺が、どれだけ頑張ってたか知らないくせに俺を辞めさせるってか?はっ、馬鹿にしやがって。 こちとら、集会の件なんも聞いてねぇーんだよ。責任押し付けてんじゃねーよ。 それにな、俺がいつ仕事の期限破ったよ。いつだってお前らのいない間に机の上に置いてただろーが。お前らは二階堂のお守りかなんか知らねーがよ、遊び惚けやがって。 お前らの分の仕事、誰がやってると思ってんだよ。ここ最近、てめーらのせいで寝不足だっつーの。ここまでやってもまだ役不足ってか? なら、勝手に辞めさせればいい。俺だってもうこんなところ嫌気さしたね。勝手に責任転換させやがって、くそ。お前らみたいなのに憧れもってたなんて末代までの恥だな。 ってか、お前らが一々辞めさせなくていいぜ。俺が勝手に自分から辞めるからよ。精々二階堂でもなんでも庶務に置けばいい。じゃぁーな。さよなら。くそ生徒会の皆さん。ちっ、胸糞悪いな。」 壊れたままの扉を飛び越え、冷静になった頭で今後の事を考える。まずは顧問に辞める趣旨を伝えて、嫌、一方的に辞めると言えば問題ないか。 後は…、帰るか。 何もすることねーし、久々に真斗にでも会いに行こうか。 きつかったネクタイを緩め、ボタンを外す。伊達眼鏡を取って、ズボンの裾を折り曲げた。 もう、風紀がどうのとは言われない。 生徒会ではない。 関係ない。 ああ、昔に戻ったな。 少し笑いながら、俺は重たい仮面を外した。もう、変に偽る必要はどこにも無いのだ。 ーーー こうして、庶務君は狼という名の不良と化した。否、彼は憧れていたものに幻滅し、元の自分へと戻ったのだ。

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