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第14話
「で?何があったんだ。」
「彼奴らが俺を裏切った。だから俺も裏切ってやった。それだけだ。」
何となく何が起きたのかは理解出来る。
おおよそ、この前の集会の件や積み重なった仕事に関して生徒会連中に何か言われたのだろう。
周りの反応と憧れていた生徒会の自堕落な様子、教師からの文句に抑えつけていた本能が耐えきれなくなった。そんなところだろうな。
「んで、元通りって訳か。それで?吹雪さんにはその格好なんて言い訳するんだ?」
「兄さんは関係ねぇ。どうせ俺が何しようと無関心貫くだろ。」
吹雪さん、夏乃の年の離れたお兄さんは若くして会社の重役につき、次期社長を約束されている凄い人だ。
会社自体、日本のトップに君臨する為、迷惑はかけられない。夏乃が高校になって真面目になったのもそれも理由の一つだと思う。
勿論、生徒会に憧れたのが殆どの理由だろうけど。
吹雪さんは無関心なのではなく、夏乃に自由にいて欲しいだけだと思うんだが。まぁ、不良夏乃に賛成しているわけでもないが。心配はしている筈だ。
何せここ最近、夏乃の隈が酷くなった理由を話せとのメールが毎日のように送られてきたのだから。
それが無くとも一週間の出来事を小まめに話せとメールが送られてくるぐらいだ。恐ろしくブラコンなのは間違いない。
これを言ったらそれこそ吹雪さんに絞められるから言えないが。夏乃は全く気付いてないが、吹雪さんも相当学生時代に無茶してきたに違いない。
「吹雪さんも流石になんか言うだろ。」
「さあな。それより、遊びに行こうぜ。久々にゲーセン行くか。真斗も誘ってカラオケでもいいな。いや、喧嘩もいいか。鈍ってねーかな。一応、鍛えてはいたんだけど。」
「生徒会辞めて早速喧嘩かよ。分かったよ。真斗には俺が連絡入れとく。今日、彼奴学校来てんのかな…。いや、あんだけ夏乃の噂が飛び回ってんのに夏乃に会いに来ないって事はないか。」
それにしても、この学校やべぇな。生徒会がぼんくらな上、最強の不良が戻ってきた。これで真斗と手を組めば恐ろしい事が起こるのは目に見えている。
だから、言ったのによ。
『このままじゃ痛い思いする』ってよ。
馬鹿だなぁ…。
本当に馬鹿だ…。
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