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第21話

「冬乃か。」 「おいっ、俺は帰る。携帯返せ。」 「それは無理な話だな。」 「何でだよ。」 「ふっ、お前を助けたのは気紛れだ。だが、一度助けちまった奴はちゃんと最後まで面倒を見る。」 「意味わかんねぇ。気紛れなんかで助けんなよ。」 「まぁ、お前が雪さんに似てたのもあるな。」 「雪って誰だよ。」 「恩人だ。」 雪ってまじで誰だよ。恩人に似てるから助けたとかそんな迷惑な話あるかよ。くそっ、気にくわねぇ。 「おいっ、勘違いするなよ。雪さんに似てたからだけで助けるわけねぇだろ。なんだ、俺に反抗する目が久々で面白そうに思っただけだ。」 「んなっ、ふざけんな。面白そうで連れてくるなよ。くそっ、やっぱりお前、ドMだろ。」 「M…?ふはっ、おもしれぇこと言うな。でも、残念だがらその逆だな、俺はSの方だ。それとも試してみるか?」 「は?何をだよ。ちっ、喧嘩なら受けて立つぞ。」 「…はっはっは。」 今にでも笑い転げそうな男を睨みつける。何が面白いんだよ。 「おや?笑い声が聞こえると思ったら珍しい。巽が大声で笑ってるなんて。」 「ほんと、ほんと。なぁに?この状況…。え?男の子がいる。まさかついに大和君、学園外に愛人作っちゃったの。」 男が笑っているのを側で見ていると、眼鏡と知らない男がまた入ってきた。新しく入ってきた奴はなんかチャラそうだ。 「ちげぇよ。いや、間違いじゃねぇか。」 「え?まさかまさかの⁉︎」 「巽、状況を教えて下さい。」 「いや、こいつが変なこと言うから面白半分で誘ったんだよ。そしたら、喧嘩に誘ってるっつて勘違いしたんだよ。」 「くそっ、俺で笑うな。」 「なぁんだ、そう言うことか。まぁ、一般人だから仕方ないよ〜。でもそれにしても、巽が面白半分でも誘いの言葉吹っかけたのになんの反応も見せないなんてそれはそれで凄いかもね。一般人でも巽にかかればイチコロだし〜。」 「確かに凄いといえば凄いですね。生徒会にぜひ勧誘したいくらいですね。まぁその格好でしたらあり得ないですが。」 「は?何言ってやがる。というか、そいつ誰だよ。」 ビシッと指を指す。 眼鏡の話からして俺の格好が良くないと遠回しに言っているのは分かる。だが、そこのチャラ男の格好も酷いだろ。 アクセもしてるし髪だって金髪だ。それに喋り方もなんかうぜぇし、顔もなんかいけすかねぇ。どっかのホストかよ。 「あれ?なんか酷いこと考えてなーい?」 「すみません、紹介を遅れました。この人は時雨敬吾(シグレケイゴ)。私達の友人です。」 「友人というか〜、学園の生徒会の仲間って感じかな〜?」 「生徒会…。」 おいっ、聞き捨てならないぞ。このチャラ男ぽい男が生徒会。いや、眼鏡はまぁ分かる。巽って奴も100歩譲って分かる。けど、このチャラ男が生徒会とかって…。 こいつらの学園、崩壊しないのか。
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