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第28話

俺の順位は… 惜しくも2位。 一位はチャラ男だった。 「くそ…。」 「ははは〜、冬乃君の負け〜。」 「もう一回!」 「え〜、その前に、翼君とかがゴールしないと終わらないよ?」 「は?」 俺の横で未だにカチカチとボタンを押している眼鏡。そのまた横では能天気男がボタンを放してぼーっとしていた。 「な、何してるんだよ。お前ら。」 「別に普通にゲームをしているだけじゃないですか。」 「普通って…。」 画面に映るキャラクターはバックしたと思ったら、右往左往とぐねぐね曲がっている。 「下手くそかよ。」 「んなっ、違います。このコントローラーが悪いんです。」 「言い訳だね、翼君。取り敢えず、前に走る練習しようか〜。」 一から丁寧に教えたチャラ男。5分後、やっとゴールしてゲームは終わった。 「翼君の下手くそ〜。」 「違います。これからですから。さあ!次の試合しますよ。」 眼鏡はやっと操作に慣れたのか次、次とゲーム機を振り回す。 「ゲーム機振り回すなよ。」 「いいんですよ。どうせ、時雨が買ったものでしょう?壊れたら弁償します。」 「そういう問題じゃないと思うんだけど。」 「それより次、早くして下さい。まだ、ゲームは始まったばかりです。」 どハマりしてやがる…。 眼鏡をキラリと輝かせてゲーム機を握り締めた。 「なんか結果目に見えてるよね〜。あっ、そうだ。チーム戦はどお?それなら勝敗も分からないかも。」 「チーム戦?なんだそれ。」 「だから、赤組と白組に分かれて戦うんだよ。チーム戦は意外と頭使うんだよ〜。自分だけが一位になれば勝てるわけじゃ無いからね。相手チームを潰して、仲間を援護する。それがチーム戦。」 「ふーん。まっ、いいんじゃね?そうしないと眼鏡も能天気男も一生勝てねぇだろうし。」 「なんですって。勝ちますよ。」 「それじゃあ、グッパーでわっかれーましょ。」 ほいっ。 と手を出すチャラ男。 じゃんけんか?すかさずチョキを出す。眼鏡はパー。能天気男はチョキを出した。 「わかった。グーかパー出さないといけないんだけど…。君達が全く知らないのはよく分かったよ。まぁ、ちょうど、いい具合に分かれたからいいか。」 チーム戦は 赤:チャラ男、眼鏡 白:俺、能天気男となった。 後はコンピュータの仲間。 能天気男は使えるのか、見る限りゲームは苦手だろう。その予測は当たり、どんどん腕をあげる眼鏡とは違い、能天気男はのろのろと最後尾を走る。 3戦先に勝った方が勝ちだ。 能天気男の足の引っ張りもあり、既に2戦負けてしまった。このままではあと1戦で負けてしまう。どうするか。 「…雫。勝てたら冷蔵庫にあるプリンやる。」 未だぼーっとしている能天気男に俺様男は一言。その言葉に反応した能天気男はばっと目を輝かせる。 「プリン?ほん…と?」 「ああ。」 「頑張る…。」

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