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第29話

プリン如きでと思っていた。 しかし、今となってはあの言葉は神の一声だったようにも思える。 能天気男はコントローラーを握りしめ、見事にスタートダッシュを決めた。そして、綺麗なインナーをつき、何故かアイテムにも恵まれ一位をとった。 「なんですか、あれ。」 「いや〜、まぁ、うん。こうなる気はしてたよね。」 そのまま、能天気男の覚醒は続き、大逆転で白組の勝利となった。 「ほんと、雫は昔からやる気になれば凄いんだから。」 不服そうにしているのはチャラ男だけでは無い。 結局、俺も勝負には勝ったが、チャラ男からは一勝もしていない。 「くそっ。おい!もう一回、やり直しだ。」 「あー、そろそろご飯作るからまた後でね。」 「ちっ、おい眼鏡。続きすんぞ。」 「仕方ないですね。いいですか。今度は負けません。雫もですよ。」 「プリン?」 「はい、貴方が私達に全勝したら王様大プリンを差し上げます。」 「勝つ‼︎」 やる気を出した能天気男に結局、俺らは勝てなかった。 夕飯を食って、またゲームして。 そのまま全員テレビの前で雑魚寝した。

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