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第99話

「えっ…。」 「お願いします。足手纏いになると分かっています。ですが、家でじっとしているなんて俺には出来ません。撃たれる覚悟はしています。たとえ死んでも自己責任。迷惑は絶対にかけません。どうか、連れて行ってはくれませんか。」 覚悟の決まった顔。例えここで死ねと言われても夏乃を救うためなら簡単に命を落とせるんだろう。 ああ、この人はなんでこうもかっこいいんだ。 ってか、 普通弟のために命かけるか。 馬鹿だろ。 究極のブラコンだ。 ああ、でも、友人のために命かける気でいる俺も相当阿呆だ。 「俺も命かけます。お願いします。連れて行ってください。」 「もちろん、私も瀬野に喧嘩を売るんです。はなっから命かける気でいましたよ。」 3人揃ってなにしてんだか。 副会長なんて命かけるタマでもないだろうに。 無言の時が続く。 誰もが瀬戸真教に目をやった。 「くっ、はっはっはっ。まさか命かけるとはな。面白い。」 急に笑い出した瀬戸真教を二度見する。腹抱えて笑い終わると、ニヤリと笑って言った。 「その覚悟しかと受け取った。連れてってやろう。ただ、お前らが行くのは離れの方だ。母屋の方は俺らが攻める。そこにもしお探しの姫がいても知ったこっちゃねぇからな。」 「ありがとうございます。」 「夏乃だったか?こっちもそいつに恩があんだよ。弱っちくて裏社会背負ってたつ覚悟もできてなかった真斗を強ぇ男にしてくれたんだからな。まぁ、少しくらいオメェらの我儘きいてやる。」 そこから話しは一気に進んだ。 夏乃を救い出す日時。 手段。 役割等。 瀬戸真教の計らいから1人組のものをつけてくれると言う。だが、離れに瀬野組の奴がいる可能性は低いだろうとのことだ。 それに、あの瀬野のことだ。夏乃がいる側でドンパチは死んでもさせないはず。それはこっちからしても有難いことだ。 それから真斗の初陣ではあるものの、俺らと共に動くことになった。若頭が敵陣に軽々しく入るのもそりゃあおかしいしな。 これで段取りも決まった。 3日後に夏乃を救い出す。

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