17 / 66

第6話-1

ちょびとむぅすは、まだ1歳にもなっていない子猫だ。生後3ヶ月のこの子たちをもらってきたのが去年の10月、なので今は生後9ヶ月、人間で言うと13歳くらいだ。 同じお母さん猫から産まれた白黒の兄弟。顔は、額から左右の目に向かって、ハの字を描くようにはっきり色が分かれている。上半分が黒で、下半分が白だ。 ちょびは、鼻のすぐ横に、ほくろのような黒いぶちが付いている。むぅすは付いていない。そこが見分けるポイントだ。 人見知りをほとんどしないちょびとむぅすは、餌を食べた後、大輝に紐の付いたネズミのおもちゃでしこたま遊んでもらい、飽きて2匹で追いかけっこをはじめ、転がるように部屋から出て行ってしまった。 「悪いな、遊んでもらっちゃって」 そんなこんなでもう1時間はたってしまった。有名なチェーン店で買ってきた牛丼は、すでに冷えてしまっている。 「いや、俺がちょびとむぅすに会いたかったんだし。たくさん遊んでくれて、嬉しいよ」 「遊ぶの大好きだからな。まだ子猫だし、元気が有り余ってんだろうな」 言いながら、ねずみのおもちゃを片付ける。最近、お小遣いが入ると、つい猫用のおもちゃを買ってしまう。可愛くてしかたがない。

ともだちにシェアしよう!