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第6話-1
ちょびとむぅすは、まだ1歳にもなっていない子猫だ。生後3ヶ月のこの子たちをもらってきたのが去年の10月、なので今は生後9ヶ月、人間で言うと13歳くらいだ。
同じお母さん猫から産まれた白黒の兄弟。顔は、額から左右の目に向かって、ハの字を描くようにはっきり色が分かれている。上半分が黒で、下半分が白だ。
ちょびは、鼻のすぐ横に、ほくろのような黒いぶちが付いている。むぅすは付いていない。そこが見分けるポイントだ。
人見知りをほとんどしないちょびとむぅすは、餌を食べた後、大輝に紐の付いたネズミのおもちゃでしこたま遊んでもらい、飽きて2匹で追いかけっこをはじめ、転がるように部屋から出て行ってしまった。
「悪いな、遊んでもらっちゃって」
そんなこんなでもう1時間はたってしまった。有名なチェーン店で買ってきた牛丼は、すでに冷えてしまっている。
「いや、俺がちょびとむぅすに会いたかったんだし。たくさん遊んでくれて、嬉しいよ」
「遊ぶの大好きだからな。まだ子猫だし、元気が有り余ってんだろうな」
言いながら、ねずみのおもちゃを片付ける。最近、お小遣いが入ると、つい猫用のおもちゃを買ってしまう。可愛くてしかたがない。
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