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第6話-2

2階にある俺の部屋。小学生の頃から使っている勉強机と本棚、ベッド。部屋の真ん中に小さなテーブルを置き、牛丼を並べ、コップに麦茶を注ぐ。 「いただきます」 食べながら、そっと大輝を覗き見る。相変わらず、きれいな箸の持ち方をしてる。箸の動きと一緒に唇に視線が向きそうになり、慌てて逸らす。 「あ、あれ、くーちゃんの写真?」 大輝が、本棚に置いてある写真立ての方を見る。俺は立ち上がり、写真立てを大輝に渡した。 その写真を、大輝は懐かしそうに、目を細めて見ている。 「去年の8月だっけ、くーちゃんが亡くなったの」 俺は頷き、その時のことを思い出していた。

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