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恋人編 第1話-1
『2点A(1,6), B(5,3)がある。点Pが直線y=-x +5上を動く時、AP+BPの最小値と、その時の点Pの座標を求めよ』
「ああっ、また出たな、点P!人の許可もなく、勝手に動きやがって!もー止まっとけ!てゆーか出てくるな!」
頭を抱える俺。そんな俺を見て、笑う大輝。
俺は、顔を覆ったてのひらの隙間から、ちらりと大輝を見る。俺の好きなあの笑顔で、俺を見てる。かっこいい。かあっとほおが熱くなって、また顔を隠した。
図書室で、中間テストの為に勉強してるだけなのに。特に数学なんて死ぬほど嫌いなのに、大輝と一緒なだけで、特別な時間に変わってしまうみたいだ。
大輝が自分のルーズリーフを1枚出して、さらさらとグラフと数式を書きながら説明してくれる。
マジすげえ。大輝は、バスケも料理も勉強も、たいていのことはさらっとできてしまう。
未だに信じられない。こんなすげえ奴が、俺の、その…彼氏だなんて。
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