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恋人編 第2話-2

「それ…って、どういう…」 「ん?例えば、ね…」 言いながら、大輝は俺の肩を優しく押し、体を回転させ、向かい合う。やばい、大輝の顔が見える。心臓の鼓動がうるさすぎるよ、俺。 大輝は腰を屈めて俺にキスをする。目を閉じて、大輝の唇の感触を確かめる。と、大輝の唇が離れ、言葉を紡いだ。 「悠斗、口開けて」 「え?」 え、と言ったまま固まった俺に、もう一度キスする大輝。 「ん…っ」 俺の下唇を少し舐めてから、大輝の舌が入ってくる。俺の舌を絡めとり、舐め上げる。ぬるぬるした感触、口内を蹂躙するような動き。 なんだこれ…やばい、やばすぎる。 「ん…んんっ、ふ…っ」 息が苦しい。頭がふわふわする。でも気持ちいい。こんなキスがあるなんて、知らなかった。 大輝の唇が離れる。唇が離れても、糸のような唾液が、俺と大輝を繋いでいた。 あれ…足に力が入らない… 俺は、ずるずるとその場にへたり込んでしまった。

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