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恋人編 第3話-1
中間テストが終われば、いよいよ地区予選が始まる。どの運動部も気合いが入っている。3年生は引退がかかっているからだ。1試合でも多く勝ち残りたい。それがみんなの共通の思いだ。
まだ5月の中頃なのに、もう初夏の風が吹き始めている。朝なのに、日差しが眩しい。
今朝の朝練もきつかった。汗臭いサッカー部の部室で、スポーツドリンクを一気に飲む。かすかな甘みが、身体に染み渡っていくようだ。
自分のロッカーを開け、夏服に袖を通しながら、俺は大輝のことを考えていた。
ふと気づくと、この前、大輝の家でしたことを、思い出している自分がいる。
恥ずかしかったけど、ふわふわした幸せに包まれてた。大輝に触れられることが、触れてもらえることが嬉しかった。
大輝は、俺とどこまで行きたいんだろう。
あれから、男性同士のあれこれを、俺なりに調べてみた。男性同士で付き合うといっても、その形は様々らしい。精神面だけで繋がってる人もいれば、触り合いだけで挿入しない人もいる。もちろん、より深く繋がる人も。要は、愛の形はいろいろってことだ。
より深く繋がろうとすると、めちゃくちゃハードルは上がる。ウケやらタチやらの役割もよく分からないし、なんか痛そうだし、必要な物もあるんだろうし。
正直怖い。よく分かんない。でも…
大輝が望むなら、ハードルを飛び越えたい。
だから、大輝が、俺とどうなりたいと思ってるのかを、聞きたい。
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