47 / 66

恋人編 第4話-1

「拝啓 小森 悠斗 様 突然のお手紙、失礼致します。 お話したいことがあります。申し訳ないのですが、本日の昼休み、音楽室まで来ていただけませんか。 お待ちしております」 …地区予選1回戦をなんとか勝ち上がり、応援疲れの残る月曜日。靴箱に入っていた手紙に呼び出され、俺は音楽室にいた。ここらへんは特別教室ばかりなので、昼休みに来る人は滅多にいない。 静かな音楽室で、その女の子は待っていた。 髪を三つ編みにし、メガネをかけている、大人しそうな子。背丈は150センチもないくらい小さい。同じクラスではない。けどなんか、どこかで見覚えがあるような… 「突然こんなところにお呼びして、申し訳ありません。小森 悠斗さん。私、2年C組の、宮野 琴音(ことね)と申します。 あの…小森 悠斗さん。好きです」 …モテ期到来かよ、俺! とか言ってる場合じゃねえ、困ったぞこれ…

ともだちにシェアしよう!