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第7話-3

りょーちんに右手を掴まれ、サラリーマンやOLで賑わう夜の街を通り過ぎる。 賑やかな通りを一本抜けると、原色のネオンがチカチカと瞬いている薄暗い通り。そーゆうホテルが建ち並んでいる場所だ。 いやいや待って、マジで心の準備できてねえよ!実はまだ童貞なんだけど、オレ! いくつかのラブホを指差し、りょーちんは言う。 「…ねえ竜ちゃん、〈バナナとちくわ〉と、〈エロフェッショナル〉と、〈3年B組 金玉先生〉と、どれがいい?」 「この街のラブホのネーミングセンスはどーなってんだよおいっ!」 いやネーミングとかそういう問題じゃねえ!どうする、どうするオレ! 突然、誰かにオレの左手首を掴まれる。 身体が左側に引っ張られ、そのまま走り出す。オレとそいつはラブホ街を抜け、飲み屋街を抜けていく。 明るい街の光に、オレの左手を掴んでいる人物の後ろ頭が見える。外ハネの明るすぎる茶髪。まさか… …瀬戸?

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