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第8話-2

…オレは、小さい頃から、熱い男が大好きだった。 幼いころは、悪を滅ぼし正義を愛する特撮ヒーロー。小学生の頃は、「友情、努力、勝利」の世界の主人公。中学生の頃は、不良の生徒と本気でぶつかり合う学校の先生。熱血な世界にどっぷり浸って生きてきた。 なかでも衝撃を受けたのは、高校生のとき、親父の部屋で見つけた、昭和のヤンキー漫画だ。 背中に「喧嘩上等」と刺繍した長ランを着ている、リーゼントの主人公。 いつもはバカでスケべなことばかり。だが、大切な仲間や愛する女がピンチに陥れば、男気溢れる表情へと変化し、その身を呈して戦うのだ。激しくぶつかり合う拳。傷だらけになる身体。仲間のために流す涙。そして色っぽい女との恋! この、昭和のヤンキー漫画にめちゃくちゃ感動したオレは、高校1年生の時、ちょっとした事件を起こすことになるのだが… …ちょっと遅い中二病、黒歴史ってやつだ。それに関しては語りたくねえ…

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