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第10話-2 瀬戸side

高校生の時は、竜司の周りは女っ気がなかった。竜司の奇行を見聞きして、敬遠していたのだろう。 だが大学生になり、見た目のいい竜司に女たちが群がるようになった。そして、竜司はある女と付き合い始める。 悲しいけど、竜司とその女が真剣に愛し合っているなら、俺の出る幕なんかねえ。だけど… …ああもう、その真知子ってやつ、男に貢ぐだけ貢がせて捨てることで有名な女じゃねえか。真知子はおまえのことなんか、財布だとしか思ってねえんだぞ。なんでよりによって、そんな女と付き合うんだよ、おまえ。 案の定、俺がちょっと甘い言葉を囁いてやっただけで、真知子はあっさり竜司を捨てて、俺のところに来やがった。虫酸が走る。こんな女、竜司には相応しくねえよ。 「ま、真知子!?誰だよ、その男! おいおまえ!瀬戸って言ったか?人のカノジョに手ぇ出しやがって!どーゆうつもりだ、おいっ!」 このバカ。人の気も知らないで。どうして分かってくれないんだ、という苛立ちと同時に。 あの竜司が、俺の目を見て、俺に向かって話しかけてる。俺の名前、覚えてくれたのかよ。 好きな子をいじめてしまうなんて経験はなかったが、こういう心理だったのか。 「おまえが俺と付き合うなら、おまえの女には手をださねぇよ、竜司」 勢いで出てしまった、我ながら訳の分からないセリフ。 「ああ!?付き合うわけねえだろバカなんじゃねえのかオマエ」 なのに、竜司は答えてくれる。こんな俺が、竜司と会話できるなんて、幸せにも程がある。歪んだ喜びが、俺の中で満ちていく。 そうして、竜司が悪い女に捕まるたびに、俺がその女を寝取りに行くことになった。そんなことを5回も繰り返して、今に至る。

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