38 / 41

第14話-3

唇を離し、瀬戸のほおを両手で持ち、まっすぐ瀬戸の目を見て、オレは言う。 「瀬戸! オレは、おまえがピンチの時には、絶対に駆けつけて助けてやる!だから!だから、困った時には相談してくれよ! オレ、バカだしさ、おまえがいないと、また変な女に騙されちまうよ。部屋だって散らかし放題になるし。それに…おまえがいないと、つまんないんだよ。元気出ねえんだよ。 オレはおまえのヒーローで、仲間で、…そして、恋人だ! 好きだ、瀬戸!」 瀬戸の目から、涙が溢れ落ちるのが見えた。 そんな瀬戸の頭を、自分の胸に引き寄せ、そのままそっと抱きしめる。 つい数十分前までの憂鬱が、嘘のようにオレの中から消えていった。 「あー、悪いんだけど、ちょっと話を聞かせてくれるかな、お兄ちゃんたち」 警察官のおっちゃん!今だけは、ちょっと空気読んでくれよ!

ともだちにシェアしよう!