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幼馴染み④
甘やかすように抱きしめてきては、またいたるところにキスされる。
様子がおかしい。
明らかおかしい。
キス魔だけど、いつも以上にキスされて俺の頭の中ハテナマークだらけだ。
気持ち良いけど。
くすぐったいけど。
気持ち良いけど。
「…なぁ、楓」
「んー?」
目を開けると、まっすぐな瞳が俺をみつめていた。困ったような、なんとも言えない顔をして。
「…先週、高田達とコンパ行ったって…ほんと?」
「…!」
大げさなほど、体がビクッとはねた。
俺は、隠し事が下手くそらしい。
先週の金曜日、確かにコンパに行った。
でも、俺はそれを知らなくて。
高田の女友達と偶然会って、そこからさらに友達を呼んでって流れになったんだ。どうやら、計画的らしかった。
「あ〜、なんつーか、その、ほら」
なんだか気まずくて、優時の顔を見れない。自然と俯いて、言い訳がましい事を口にしていた。
付き合ってるわけではない。
でも、やっぱりこうしてキスとかする関係なわけだからなんか気まずい。
「た、高田がさ、付き合ってるやつのいない寂しい俺に彼女を作って欲しかったみたいで!なんか、その場のノリでさ」
実際、余計なお世話だし 頼んでないけど。
余計なお世話なんだけど俺のためって言われると無下にもできない。
優時のため息が聞こえた。
「…そっか」
すぐに、大きな手で頭を撫でられる。
それで、連絡先はなんかしなきゃいけない雰囲気で交換したけど連絡してない。
なんでもないんだよ。ほんとに。
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