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幼馴染み⑦
「…楓?どうした?」
俺と高田に気づいた優時がすぐさま駆け寄ってくる。
俺は、優時の顔が見れなくて俯いた。
俯いた先には、優時の上靴と…小さい上靴がうつる。山下莉子も来たようだ。
それを見ただけで、涙が出そうになって慌てて唇を噛み締めた。
「おー、稲垣。なんか、楓 体調悪いっぽい。保健室行くところ」
「…俺が連れてくわ。ありがと、高田。行こう、楓」
二の腕を掴んでいた高田の手が優時の手に変わる…前に、俺はそれを拒否した。
一気に気まずい雰囲気。
「…あ。ご、ごめん。もぅ昼休み終わるし、俺、1人で大丈夫だから」
顔を上げず、早口にそう言うと俺はその場から逃げるように保健室へ向かった。
チラッと見た、優時と山下莉子の姿。
山下莉子は心配そうな顔をして、優時の腕を掴んでいた。
優時は、無表情でじっと俺を見ていた。
顔色が相当ヤバイらしい俺は、サボりなのになんの疑いも掛けられず保健室のベットに横になれた。
次の授業は数学だったから、サボれてラッキーなのに、そんな気分じゃない。
胸が痛くて苦しくて、涙がちょっと出た。
「…くそっ」
訳の分からない真っ黒い感情が、身体中をグルグル回っている。
優時に彼女ができてた。
しかも、超可愛い。
2人並んだ姿はどこからどう見てもお似合いで。
なんだよ。俺のコンパとか、なんもねーじゃん。彼女作ってるんじゃん。
…なんだよ、優時のバカやろー。
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