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幼馴染み⑭

「おい、こら。何か変な事考えてるだろ?」 「うにっ⁈」 ふにゅっと、頬を引っ張られて変な声が出た。 甘い雰囲気が一転。 優時の瞳には、さっきまであった甘さはなく冷ややかな眼差しを向けられる。 「楓。話をしよう」 頬を引っ張られたまま、俺は頷いた。 「…相変わらず、汚いな」 俺の部屋に来た優時はそう言いながらも慣れた様子で床に散らばった雑誌とかを片しながら道を作り、ベットに座った。 「…あ、なんか飲みもん持ってくる」 「いいよ。それより座りなよ」 おいで、と自分の隣をぽんぽん叩く。 躊躇っていると、優しい顔で笑いながら近づいてきて手を引かれた。そのまま、優時の隣に腰掛ける。 「…楓。」 ちゅっと、こめかみにキスされた。 さっきまで、あんなに激しめのキスしてたのに、そのキスだけで恥ずかしい。 俺は俯いて、膝の上に乗せた両手を見た。 …さよならって、伝えたくない。 俺は、意気地なしだ。

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