17 / 19

幼馴染み⑰

「…怖くて。楓が好きなのに、気持ち伝えて隣にいられなくなるのが怖くてさ。でも、抑えられなくて…キスしたらお前、なんだかすんなり受け入れるし」 「……」 …だって、気持ちいいんだもん。 「…この唇も」 優時の指が俺の唇に触れる。 「キスした時の可愛い顔も、誰にも見せたくなかった。俺だけのものにしたかった」 その指を、なんとなしに噛んでみた。 「…ばか」 ふわっと笑って、優時は指を抜くと俺の上唇を甘く噛んだ。 ぺろんっと、舐めて離れていく。 「…山下莉子は?」 自分で言って喉が、乾いた音を立てた。 「山下?」 「…付き合ってるって、高田が言ってた」 「…あぁ、だからお前…」 優時は何やら1人納得したように頷いた。 「…楓、俺から離れようと思ったろう?」 「え?」 「コンパ。確かに、俺たち付き合ってなかったから俺に言えたことじゃないんだけど」 「や、違うっ!あれは、だから、高田たちが勝手にー」 「俺、正直ショックで。いや、コンパに行ったって事より、俺は楓を繋ぎ止められる確実なモノが無かったんだなって」 優時の大きな手が俺の頭を撫でる。 「どうすれば楓を繋ぎ止められるか、そればっかり考えてた」

ともだちにシェアしよう!