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4 初めて見た
ネグリジェは無骨な手によって中途半端にはだけられた。
獣人の肉厚な舌が俺の喉から胸もとにかけてを執拗に這い、たまに音を立てて吸い付き甘噛みをする。
歯が当たっても痛みはないけれど、下手に動いたら鋭い牙に本当に噛まれるんじゃないかと思って体が強張る。
圧し掛かってくる息が荒い。あんまり荒く乱れているから、この人は大丈夫なのかとすこし不安になってくる。
手のひらも熱い。俺の腹や腰や太腿を、絶妙に強い力加減で確かめるように撫でてくる。
そうしてたまに唇にキスがくる。
舌を絡められると、ラグレイドの甘い魔力がゆるりと体内に入ってきて、魔力の浸み込む気持ちの良さに、思わず体の力が緩みそうになる。
舌の粘膜をくっつけ合ったり絡め合ったりするのは嫌いじゃない。この一か月でいっぱい慣らされ教え込まれた。ゆっくり優しくやる分には、気持ちが良くて大好きだ。
だけど、今日のキスは激し過ぎた。
舌が奥深くまで入りこんで溺れそうになる。かと思うと強く吸われて絡めまわされ、呼吸がうまく追いつかない。
ラグレイドは優しいから、もしかしたらこれでもすごく抑えながらしてくれているのかもしれない。触り方や力加減でなんとなくそう思う。
だけど、俺はやっぱり怯えずにはいられなかった。
ラグレイドが怖い。熱に浮かされ呼吸を乱し、苦しげに求めてくる金色の瞳。獲物を逃すまいとするかのように真剣に、それでいてとても艶やかに蠱惑的に俺を見るから。
身体がなんだかすこし熱い。
いつの間にか呼吸も、ラグレイドに引き摺られるかのように乱れているような。
変だ。ラグレイドだけでなく、俺の身体も。
「ん・・・っ」
突然身体がヒクッとはねて、切羽詰まった息が洩れた。無骨な騎士の親指が、俺の乳首をぐにっと押しつぶしたからだ。
ずっと触られるくすぐったさのようなものを堪えていたけれど、乳首への刺激はくすぐったさを大きく通り越していた。
「・・・シオ、」
俺の胸元を熱心に舐めていた獣人が、ひたりと俺の顔を見た。
そうして俺の押しつぶされた可哀想な乳首を見る。
「・・・・ここ?」
何を思ったか、ラグレイドは俺の胸にあるちいさな粒を指でつまんで苛め始めた。
「んっ、ゃっ、ぁっ」
こんな所を弄られて、こんな風になるなんて、想定外過ぎた。身体が勝手にビクビク跳ねる。
堪えられなくて身をよじり逃げようとすると、両手首をしっかりと握られて、そうして今度は、舌でもって執拗に乳首や乳輪を舐め弄られた。
「ぅっ、ぁっ、あっ、ラグ・・・ッ、おっぱいっ、やめ・・・ッ」
俺は涙目だったと思う。
身体が変に気持ちが良くて、ビクビクするのが止められなくて、喘ぎながら必死に静止の懇願をしていたのだけど。
・・・おっぱい。
ラグレイドは俺の乳首に吸い付いたまま動きを止めると、ひとこと確かにそう呟いた。
俺はハッとした。男の乳はおっぱいとは言わないのだったか?
だけどこの前クタさんが、「ベッドの中にいるときは男でもここは『おっぱい』です」と言っていた。なんでそんな話題になったかは俺にもよくわからないから聞かないでほしい。でも生真面目なクタさんの言うことだから、きっと間違ってはいないと思う。
突然、ラグレイドは夜着にしていたTシャツをガバリと無言で脱ぎ捨てた。続いてズボンと下衣も乱暴に脱ぐ。
裸になった獣人は、怯んで固まる俺の身体に再び身を重ね、無心に食むような口付けをしてくる。
俺はその男らしい裸体を必死に受け止めながら、内心では相当たじろいでいた。
だって俺はあんなに大きくて立派なおちんちんを初めて見た。まるで狂暴な凶器のごとき強直というか、獣人騎士の逞しい体格に見合った猛々しい怒張というか。
とにかくすごく立派で大人な肉棒がそそり立っていたんだ。
こっ、こわいよう・・・・っ
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