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5 さわってみたい

 俺の太腿には黒豹獣人騎士の硬くて熱い部分があたっている。  ラグレイドは俺のネグリジェをますます大きくはだけさせ、上半身にいっぱい激しいキスをしてくる。乳首やその周辺は特に、やたらといじくりまわされる。  俺はくすぐったさと気持ちの良さが混じり合って、変になりそうなくらいに身悶えた。ラグレイドのやりかたがエロ過ぎるんだ。吸ったり舐めたり甘噛みしたり、執拗で熱心で、俺のつまらない乳首なんかの何がそんなにいいのだろう。  だけどどうしても俺の意識が向いてしまうのは、太ももにあたるラグレイドのイチモツの方だった。  だってすごく熱い。すごく硬い。すごく大きい。存在感がハンパなくて気にならないほうがおかしいだろう。  ラグレイドはその武器を振り回す気はなさそうだった。俺の腿に押し当てられてはいるけれど、激しいキスと荒い呼吸ではあるけれど。俺の身体を触りまくり、俺を気持ち良くさせることのほうを優先している。  密着している裸の身体もすごく熱い。  少し汗ばんでいるようだ。同じ男として羨ましくなるような逞しい肢体。肌はしっとりとして滑らかだ。肌と肌とで直に密着してふれ合うのは、溜め息が出そうなくらいに心地が良かった。  胸筋でもり上がった大きな胸には全体に胸毛が生えていて、野性的でカッコイイ。思えば今まで俺の周りには、俺と同じΩとか、小奇麗な男ばかりが多かった。こんな風にむせ返るように男臭い、獣人の男の裸体を目にするなんて初めてだ。しかも今は俺の体に欲情している。  俺はラグレイドからの愛撫に必死に耐えながら、その裸の肩や腕や背中に手のひらを這わせてみた。凄くいい。艶やかな黒髪や獣耳も、この際だからなでなでしておく。  ラグレイドの身体はどこも魅力的で、いい匂いで、もっと触っていたくなる。首筋から肩にかけての筋肉も、精悍な背中の肩甲骨の窪みにも。いっぱいさわりたい。もっといっぱい触れていたい。さっきから俺の太腿に押し付けられている、熱くて硬い場所にも。  さわってみたい。  怖いもの見たさというやつかもしれない。だけどたぶん、そこはラグレイドの中で一番敏感な場所で、一番性的魅力の濃縮された場所だろう。  このまま俺が吐精させられてしまったら、ラグレイドのあそこをしっかりと見られないまま終わってしまうに違いない。それはどうにも惜しい気がした。 「ラグ、レイド、あの・・・、待って、俺・・・、」  俺は必死に腕を突っ張って、ラグレイドの舌攻撃を押し止めた。 「シオ、・・・どうした」  ラグレイドはやや身を起こし、乱れた髪の間からじっと俺を伺い見た。はぁはぁと荒い呼吸はそのままだ。汗も滴っている。 「あ、あの・・・、俺、・・・・たい」 「・・・・・ん?」  うまく聴き取れなかったのだろう、獣人は真面目に耳を傾けてくれる。 「・・・さわりたい。ラグレイドの、・・・・それ」  それ、と俺がラグレイドの股間のモノをおずおずと指差すと、獣人は薄灯りの中でもはっきりとわかるほど狼狽えた。 「こ・・・っ、コレに・・・?!」 「うん。・・・・だめ?」  だ・・・、ダメではない。決して駄目ではない。  立派な黒豹の青年は、口の中で何やらもごもご呟いたのち、俺にそこが見えるように、静かに姿勢を正してくれた。  天を衝く極太の男らしい男根だった。二つの袋も立派ででかい。  ・・・・いい?  ごくりと唾を飲み、俺が躊躇しながら手を伸ばすと、 「ん」  騎士は難しげな表情のまま承諾をした。 「・・・・おっきいね」  感想とともに、思わず溜め息が漏れてしまう。  そこはやはりマグマのように熱くて、しっとりと肌触りが良い。ずっしりと肉厚で、俺のものとは大分違う。パンパンに張りつめていて、先端からは先走りがわずかに滲んでいる。 「・・・・シオ、」  いつの間にか俺の前髪に獣人の吐息が触れていた。  俺の腰を隠していたレースの布地をラグレイドの指が捲り上げ、俺のそこを露わにさせる。 「俺にも触らせて」  指先でやさしく撫でられた。 「ん・・・っ」  触られると簡単に血流がそこに集中する。 「握ってくれないか。もっと、強く・・・」  俺は促されるままラグレイドのそこをぎゅっと握って上下に擦った。  ラグレイドも俺のものを同じようにする。  ・・・・上手だな。  耳が蕩けそうな声で褒めてくれる。けれど俺は自分のそこにされる刺激に気がいってしまって、手がどうしてもおろそかになる。  気持ちがいい?  ラグレイドが聞いてくる。  俺はうんうんと必死に頷くことしかできなかった。自分でするよりもずっとずっと気持ちがよくておかしくなりそう。ラグレイドのそこから溢れた透明の汁が俺の手を汚すのも、ふたりでいけないことをするみたいに無心で触り合うのもいい。  ラグレイドは俺の方へとさらに身体を寄せてくる。俺達は互いの鼓動が聴こえそうなほどに密着していた。  くっつけるよ。  低い声がして、ラグレイドが己のものを俺に近づけ、ふたつをぴたりとくっつけるようにして合わせてくる。 「あっ、ぁっ、ゃっ、ぁ・・・っ」  ラグレイドの大きな手がふたつをまとめて擦り始めた。  直に触れさせられ感じさせられるラグレイドの肉欲は、想像していたよりもずっと俺を興奮させた。というか、ラグレイドの手技が信じられないくらいに上手過ぎた。視覚的にと直接的に与えられる刺激が強過ぎて、俺の受容範囲など完全に超過していた。  逃れたくても、強い左腕にがっちりとホールドされていて逃れられなかった。己の下手な好奇心を今さらながらに後悔したって遅すぎた。俺はたぶん獣人の抑え込んでいた欲望を悪戯に刺激してしまったのに違いない。  終いには、俺は声を上げて泣き喚いていたかもしれない。激しすぎる性的刺激から身を逃がそうにもできなくて、ラグレイドの腕にしがみ付いて身を仰け反らせ、涙と涎でぐちゃぐちゃになりながら思い切り吐精して、相手の身体を汚しまくっていたかもしれない。

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