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第18話

波留が笑いながら2人に言うと彼等は言い争いをやめ波留の顔をじっと無言で見つめてくる 大きな男達2人に挟まれながら見つめられ、波留は選択を間違えてしまったのかと焦り訂正しようとするとそれを遮るように清が大きなため息をつく 「………波留、今のは反則だわ」 顔を手で覆い隠しながら立ち上がると清は何かを堪えるように悶えその場にうずくまった 「猇……俺、今すぐこの感情を別のものに変換しないとなんかとんでもないことしでかしそう」 猇に話しかけるも猇は固まったまま、波留の顔をじっと見ているだけだった 訳が分からない波留は2人の挙動を不思議に思いながらも怒っているわけではないと理解し安堵する 「……飯作るか…」 黙っていた猇が立ち上がり2人を置いて部屋を出ていってしまう 「…え、あ、そんな急に?」 フラフラとした足取りの猇を心配しながらも悶えおわった清に目を向けると彼は、そんな後ろ姿を見て吹き出し大笑いした 感情の豊かな人だなと思いながら清を見つめると笑い疲れた清が涙を拭きながら波留に向かって状況を話す 「波留、大丈夫だよ。あいつちょっとそういうのに慣れてないだけだから」 「なににです?」 「人の純粋な好意と笑顔に」 (笑顔に……?) 清を見て波留は笑顔について考えだし自身の世界へと入り込もうとするが、清に止められ我へと返る 「きて、俺達もそろそろ行こうか。猇もご飯作ってくれるって言ってるし、波留の住む部屋も案内するよ」 「…えっ!一緒に住むんですか!?」 まさかの衝撃の告白に波留は大声を出してしまい身体が悲鳴を上げるかのように痛む 「だってその方が安全でしょ?」 「ててっ…それはそうですけど」 そこまでされてはかえって迷惑ではないかと考える波留だったが清の中では決定事項で、些細な問題に過ぎないのだと分かる 「大丈夫。部屋は余ってるし、波留が家にいた方が俺達も嬉しい。あと、俺のことはキヨでいいし敬語も必要ないよ。猇も特に気を使わなくていいと思うから好きなように呼んで」 この人の凄い所は素直に欲しい言葉をダイレクトに伝えて安心させてくれ、それに自然と自分も従ってしまうことだ (なんか、凄いな清さんって…) 波留は清に腕を引かれながらゆっくりとベッドを降りると部屋の外に出た

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