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第21話
車に揺られる事数時間
波留達はある豪邸にたどり着いた
「いつ見てもおっかねぇな。ここは」
猇が屋敷を見上げながらタバコを手に持ちながら言う
「どこなの?此処」
波留は車からおりた二人に向かって聞くと、清が苦笑交じりで答えてくれた
「羽柴会長のお屋敷。みんなここで一度顔合わせをするんだよ」
そう言って、清は波留について来るよう言ってくる
門をくぐり、屋敷までの長い道のりを呆然と見る俺に猇が隣りでにやりと笑った
「何ボケっとしてんだよ。ほら、あんま離れると此処の部下達に取っ捕まえられんぞ」
(…それは何となく嫌だ‼)
波留はハッとし、猇の後ろをぴったりとくっついて歩いた
猇はそんな波留を見て面白そうに笑いながら、タバコをふかし始める
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屋敷内に入り、廊下を歩いた波留達は羽柴会長が居ると言われた部屋の前までやってきた
「失礼しまーす。」
気の抜けるような声で扉をノックし、中からの返事が返ってくる前に部屋の中に入っていく清
「……。」
猇に関しては無言で入っていく
(そんなんでいいのだろうか…)
と思ったが、波留も何だかんだで無言で室内へと入ってしまった
部屋に入ると、大きなソファーに三人の男が座っていた
「ん?あー、お前達か」
40代辺りの白髪交じりの世間的に言うのであればダンディな男性が波留達を見て笑顔で言う
「あ、総長ー!!」
「お前ら来るなら言えよな…」
テーブルを挟んで向かいに座っていたのは、波留とそうかわらない位のパーカーをだらしなく着た長身に顔はイケメンの青年と
黒縁のフレームが薄い眼鏡に少し着崩したスーツが印象的だった清より少し小さめの男性が二人に向かって話しかけてきた
「あ、すぐ帰るから問題なしっ。会長、今日は新入りを連れてき…」
「へー。女の子っすか総長!!」
猇の後ろに隠れていた波留を少年が見つけ、人懐っこい笑顔で聞いてくる
(誰が女の子だ…この~。)
波留はその青年を睨みつけると猇の服の裾を少しだけ引いた
「光樹、こいつ女じゃなくて男だから…。」
清が猇の服を引く波留を見て、少しだけ笑いながら"光樹"と呼ばれた青年に向かって言うと成年は絶句するかの如く、口をぽかりと開けた
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