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三匹の子豚ゲーム❶

とあるヒョロワーさんと共通のテーマで書いたお話。 テーマ「三匹の子豚」 パロディ 木樫様 【準備中】 ヘタノヨコヅキ様 【https://fujossy.jp/books/14772/stories/278157】 うちの子クロスオーバーしています 登場人物の登場作品紹介は物語の最後にて 厨二病に罹患しているのでとても楽しかったです!!!!!! *:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:・*:.。..。.:+・゚*:.。..。.:+・゚  むかしむかしあるところに小夜(さよ)がいました。小夜は暖炉の前でふかふかの座り心地の良い椅子に座って、サーティーワンアイスクリームのロッキーロードを食べながら言いました。 「これからゲームをします」 「随分唐突だね」  とミチルが言いました。 「その名も『三びきの子豚ゲーム』」 「俺の反応ガン無視」 「それにあたって面白そうな人を呼んでみたの」  彼女の言葉に、ミチルは首をかしげます。 「その人たちはどこにいるの?」 「今から魔法を使って呼ぶ」 「魔法を使えるんだ」 「童話だからね」 「童話ってすごいね」 「ちなみにあたしの格好は赤ずきん」  小夜は椅子から立ち上がると洋服を見せるようにくるりと一度回りました。小夜のキャラメル色の長い巻き毛に赤ずきんの衣装はとても似合っています。  可愛いでしょ、と彼女は言いました。 「魔法を使うなら老婆とかの方が良かったんじゃない。ていうかなんで小夜は赤ずきんの格好をしているのに、俺は制服なの?」 「うるさいわね、細かい男は嫌われるわよ」 「すいません」  小夜は深いため息をついたあと、高級なアイスクリームスプーンを手首でくるくる回しました。  すると、ぽん、と宙に二人の影が現れて、そのまま床に落ちました。  一人はお姫様のような格好をしている人物です。手にはティーカップを持っています。 「痛ってえ! なんだよ! は?」  現れたのは、おやつタイムを楽しんでいた騎一(きいち)でした。騎一はドレスの上から腰をさすりながらあたりを見渡しています。  もう一人は、レインコートを着た三つ編みの長い髪の人物です。ブカブカのカットソーにできた大きなドレープをなびかせて床に着地しました。 「……あれ、ここは……?」  一緒に紫陽花の花びらが落ちていきます。花の手入れをしていた(むらさき)でした。  大丈夫、とミチルは二人のもとに駆け寄ります。  彼らの前で仁王立ちした小夜が、指を差して言いました。 「あなたたちは、豚よ」  三人とも言われた言葉に動揺を隠せません。  は? って感じです。 「狼に食べられないように逃げ切るの。一人でも狼から逃げ切れば豚の勝ち。全員食べられたら狼の勝ちよ」  最初に口を開いたのは騎一でした。騎一はミチルを見上げて言いました。 「この子はなにを言ってるの?」  ミチルは苦笑しましたがちょっと顔が引きつっていました。 「ゲームをしましょう、ってお話よ」  小夜がやれやれ、と肩をすくめながら言いました。 「『ゲーム』というものをやったことがないのですが……私が参加しても大丈夫なのでしょうか……?」  紫が不安そうに首を傾げます。  騎一は持っていたティーカップをテーブルの上に置いて小夜に言いました。 「いやそういうのほんといいから、今一ヶ月ずっと我慢してたチョコレートタルトを食べるところだったんだけど。ほんとあのさあ、お家帰して。俺のタルトを返して、チョコレートを食べるはずだったこの俺の口寂しさを汲みとって」  黙っていたミチルも、申し訳なさそうに笑って言います。 「……やる気がない人を無理に誘っても良いことないと思うよ、小夜」  小夜は不敵に笑いました。  彼女はポシェットからなにかを取り出します。 「最後まで生き残ったらこれを贈るわ」  それは羊皮紙に書かれた手紙でした。蜜蠟で封をしてあります。 「あなたたちの彼があなたたちに綴ったラブレターよ。豚であるあなたたちが勝てば、この手紙を本人が朗読してくれるの」 「やります」 「やります」 「いや、私は……そういう、のは……」  騎一とミチルは即答しましたが、紫は青白い肌を朱に染めて目を泳がせました。 「団体戦です」  小夜が矢継ぎ早に言うと、騎一がもの凄い剣幕で紫の肩を掴みました。 「紫! やるって言え! 言うだけでいい! あとはなにもしなくていいから! ミチルがやってくれるから、暴力沙汰はだいたいミチルがなんとかするから!」 「騎一、強引はよくないモノで釣ろう。参加してくれたら高級はちみつあげる」 「どっちもどっちね」  小夜が呆れながら言いました。  

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