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第5話

ーーそれ、どういう意味。 聞こうとして、ジョセフがそれを妨げるように、唇を奪った。 一瞬、面食らう。今まで、ジョセフからキスをしてきたことは、なかったから。 動揺したのを悟られないように、ジョセフの頰に手を這わせて、たどたどしいキスに合わせる。 にゅるりと、舌が歯を割って口内に入ってきた。 けれど初めてだからか、どこを舐めていいか分からずに彷徨うように口内を動いている。 もどかしくなって、ちろちろと動く舌を自身ので絡め取った。 ジョセフはぴくりと肩を震わせ、身を硬くしたが、すぐに身体を預けてくる。 「ん、ふっ…」 ゆっくりと深く、絡み付くようなキスへと進んでいく。 それにつれて、ジョセフの声が、甘く艶やかなものへと変わっていく。 「は、っぁ、…アル…」 ふとした拍子に、前髪の隙間から覗く瞳と視線がぶつかって、どき、っと心臓が大きく音を立てた。 背筋がぞくぞくして、全身を掻き毟りたくなるほどの快感が、身体を支配する。 同時に、やはり自分は彼が好きなのだなと実感する。 「…ひ、っあ…!」 下着越しに緩く勃ち上がったモノを撫でてやると、びくん、とジョセフは大袈裟に身体を震わせ、身体を仰け反らせた。 続けて下着を下ろそうとすれば、ジョセフは身体をくねらせ、顔を手で隠すようにしながら、恥ずかしがるような仕草を見せる。 もう何度も身体を重ねて、お互いの細部まで知っているのに、何を恥ずかしがることがあるというのだろう。そう毎回、思う。 まあそこが、この人の可愛くて魅力的な部分でもあるのだけれど。 「ひ、…んぁっ…!」 ぐり、っと亀頭を親指で中に押し込むようにしてやれば、ジョセフは必死に身体を捩って、その刺激から逃れようとする。 逃げられないように腰を掴んで引き寄せ、もう少し強く刺激してやれば、ジョセフの瞳の端に涙が滲んだ。 「は、…あっ…ア、ル…」 こくん、と喉がなった。 ーージョセフの涙は、とても綺麗だ。彼の整った顔と相まって、扇情的で酷く美しい。 だからだろうか。もっと見たい、もっと泣かせたいと、そう思ってしまう。 ジョセフのモノに唇を寄せ、ぱくりと咥える。 ちろちろと先端を刺激しながら、根元の方を上下に扱いてやれば、その唇から声が溢れた。 「あ、ぁあっ…!」 ジョセフの身体が、ぶるりと震えた。 同時に、どぴゅっ、とジョセフのモノの先から、白濁が飛び散る。 残る余韻に浸るように目を閉じ、くったりと床に身を預けるジョセフがちらりとこちらを見上げた。 涙できらきらと光るガラス玉のような瞳。 それは、決して自分を写すことのない瞳。 「あっ…⁉︎」 ジョセフの両膝の裏に掌を押し付け、ぐっとその身体の方へと倒す。 秘部を思い切り晒け出すような格好が恥ずかしかったのだろうか、ジョセフの顔がかっと赤く染まる。 「ん、…っ」 白い太ももの裏に軽くキスを落とした。 ジョセフが、ぴくりと身体を震わせる。 頭上の照明の光を浴びて、ぬらぬらと光るジョセフの秘部は、官能的で、この上なくエロい。 たっぷりの視姦のあと、ゆっくりとソコヘ唇を寄せ、吸い付く。 「あ、ぁッ…!」 穴の周りを舐めつつ、硬く尖らせた舌で何度か抜き挿しを繰り返す。 ジョセフの唇から、吐息交じりの声が溢れた。 少し上擦った、甘美な響きをもった喘ぎ声。次第に、脳を溶かされてゆく。

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