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第16話
軽く触れて離れていく唇を見ながら、目線を上げて渋谷の顔を見る。
「...可愛い。その顔堪んない」
髪に触れていた手は俺の頬に触れ、親指で唇を触ってくる。
「...触んな、ばか」
声を出すと唇に渋谷の指が触れて変な感じがした。
「やだ。触りたい。」
調子に乗った渋谷は俺の下唇を指でつまんだり もにもに つまんだり。
甘い雰囲気に恥ずかしくなる。
「はぁ~。やばい。可愛い」
こめかみに、柔らかい渋谷の唇を感じた。
手を握る力が強くて、渋谷の温もりを感じてやっぱり嬉しい。
「...きぃ」
「ん?」
「きぃ」
「だから、なんだよ?」
「きぃ」
「..なに?」
「好き。...きぃは?」
ちゅっと、繋いだ手に渋谷がキスする。
「...へ?」
「俺のこと、好き?」
瞳が合ったまま、渋谷は今度はレロッとキスした場所を舐めた。
「...っ!...変態!ばかっ!」
意地悪な顔して笑う渋谷に、顔を真っ赤にした俺は渋谷を睨みつけながら小さく頷いた。
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