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出て来たのは疲れ切ったような女だった。
長い金髪は乱れ、目の下のクマが目立つ。目鼻立ちははっきりしているのに、荒れた肌が、彼女の生活そのものを映しているようだと感じた。
「もう...っ勘弁してください!!返せないんです!!」
女は柚木を見るなり、両手で顔を覆って泣き崩れた。
しかし柚木は顔色一つ変えずに言い放つ。
「もうその芝居は飽きた。お前人の金借りて毎晩毎晩男に貢いで遊んでんだろ?下手な芝居売ってる暇があるならとっとと借りた分返せ。」
その言葉にぴたりと女の涙は止まり、次の瞬間にはヒステリックに叫び出した。
「うるさいわね!!私がどこでお金を使おうと勝手でしょ!?さっさと帰りなさいよ!!うちにお金なんかないわよ!!」
獅琉は女の変わりようにドン引きしているが、柚木は慣れているのかそれでも尚冷静に返す。
「んな簡単な話じゃねーんだよ。人の金借りておいて返せないだぁ?お前この家に売れるもんくらいあんだろ?」
柚木の言葉に女は急いでドアを閉めようとするが、柚木がドアの隙間に足を入れているせいでドアは閉まらない。
「やっ!!なによ!!!どきなさいよ!!」
柚木はドアを抑えながら獅琉に尋ねる。
「俺は中に入って売れるもん探しますけど、若、どうしますか?」
獅琉は一瞬考えてから答えた。
「俺も行く。」
どうせここで待ってたって暇なだけだ。
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