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4-1side麗

翌朝、点滴を終えて山瀬に針を抜いてもらった麗は昨日よりも幾らか元気になっていた。 スッキリ目を覚ますこともできたし、獅琉より早く起きて寝顔を見つめることもできた。 後から目を覚ました獅琉は、元気そうな麗の様子を一通り確認して少しホッとしたようだ。 大きなベッドの上で2人、少しだけじゃれ合ってから体を起こす。 「しー、おはよう。」 「ん。おはよう。風呂入るぞ。」 ぐしゃぐしゃと頭を撫でられながら、麗はこくりと頷いた。 ぼく、おふろだいすき! 大きな掌に手を引かれて、脱衣所へ向かう。ぺたぺたと裸足の足音を鳴らしながら、獅琉を見上げると眠たそうに欠伸をしているのが見えた。 仕事に行く時のピンと張り詰めたようなあの雰囲気とは全く違うその様子に、ピンときた。 もしかして。 「しー、きょうもおしごと...おやすみ?」 「ああ、デカイの片付けてきたからしばらくはな。」 その返事に、麗は飛び上がってしまいそうなほど嬉しかった。 ここ数日、獅琉はずっと家を空けていた。 彼は仕事について多く語りたがらないから、どこで何をしているのか麗は知る由もない。1人寂しい気持ちを必死で飲み込んで留守番するだけ。 だからストレスで眠れなかったのも、何も口にできなかったのも、大嫌いな点滴をされたのも全て忘れてしまうくらいに嬉しい。 「ふふ」 「にやにやしてねーで、とっとと風呂入るぞー」 「うんっ」 広い脱衣所に辿り着いて、麗は服を脱ぐ獅琉をじいっと観察していた。 190cmを超える長身の獅琉。 150cmにも満たない麗の体つきとは全く違っていて、程良く鍛えられた体は健康的に日焼けしていて腹筋も割れている。 それに比べて、真っ白な麗のお腹。そして何より吹けば飛ぶほど細い体。 いいなぁ...ぼくもしーみたいに大きくなりたい... どうしてちっちゃいままなんだろう? 自分の体を見下ろしてしゅんとしていると、獅琉にシャツを引っ張られた。 「おい、何やってんだ。早く脱げ。」 「…はぁい。」 麗の住んでいる部屋は室温が空調によって常に23℃に保たれているため、着ているのは獅琉の大きな半袖Tシャツと下着だけ。ゆっくり服を脱ぎ始めると、獅琉が浴室のドアを開けた。 「先入ってるぞ。」 その背中には、獅琉の名前の由来でもある大きな獅子が一面に描かれている。 しーのせなかにいるのは、らいおんさん。 すっごくかっこいいから、ぼくにもかいてっていったら、しー、こわいかおででダメだって。 ぼくもしーとおそろいがいいのに。 でも、ぼくのせなかじゃちょっとせまいかな?らいおんさん、おおきいから… ぼんやりとそんなことを考えていると、浴室から獅琉に呼ばれて、麗は慌てて服を脱いだ。

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