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4-2side獅琉
獅琉が体を流し、浴室に浸かって一息着いた頃にやっと麗が浴室へと入ってきた。俺のTシャツ1枚しか着ていないくせにどうしてそんなに時間がかかったのかと疑問に思いながら麗の方を見ると、真っ白な体の麗が見える。十数年麗と過ごしてきたが、未だに麗のような人には出会ったことがない。本当に完璧な白色だ。
じいっとその体を見つめる獅琉に、不思議そうに首を傾げる麗。
素っ裸で呆けているその顔を見て、獅琉は笑いながら麗の頭をぐりぐりと撫でた。
「お前相変わらずちっちぇーし細いなー」
「ぅ...ちがうもん...ぼく...ん...」
むっとして言い返そうとする麗に獅琉は再び小さく笑う。
「悔しかったらいっぱい食って大きくなれよ?」
ぷくっと膨れた桃色の頬を突き、湯船から上がった。
「髪洗ってやる、ほら来い。」
麗を膝の上に乗せて、白い髪を洗っていく。細い巻き毛が泡に埋れてもこもこと膨らんだ。昔から麗は獅琉にシャンプーされるのが大のお気に入り。獅琉の言い付けを守ってしっかり目は閉じているが、その口元はへにゃりと緩んでいる。
「しー、ぼく...あわあわ?」
「ああ。本物のうさぎみたいだ。」
「ふふ...しーのうさぎさん...」
昨日とは違ってご機嫌な麗の髪のシャンプーを流し、そのまま麗の体を洗い始める。
「じっとしてろよ。」
「うんっ。」
麗の背中を柔らかいスポンジで優しく擦って洗っていく。脆く傷付きやすい麗の肌。少しでも日焼けをすれば火傷のように爛れるし、過度なストレスを抱えると掻きむしって出血してしまうこともある。
そういえば、こいつ俺と同じ刺青を入れたいって愚図った事があったな...
背中におっきいらいおんさん描いてって。
こんな綺麗な体に傷付けるなんて出来るわけねーのに。
現在麗の綺麗な肌に傷は一つもない。幸いにも麗の母親は麗を乱暴に扱ってはいなかった。
だからといってあの母親を許せるわけではないが、麗が痛い思いをしていなくて本当によかったと思っている。
あんな状態で暴行されてたとしたら、それこそ死んじまってただろうけどな。
それを想像して全身が粟立った。あの日、あのタイミングで麗を見つけることができてよかったと、改めて思う。
背中を洗い終え、獅琉は麗を振り向かせて前を洗い始めた。
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