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ズキズキと頭が痛み始めた。 沢山泣いたからだろうか。 頭も、心も痛い。 麗は部屋の入口の扉に目を向けた。 ぼんやりする頭で、大好きで大好きで堪らない飼い主のことを思い出す。 いつも優しくしてくれた。 僕の全ては、しーのおかげで今ここにある。 しーがいなきゃ、生きている意味が無い。 だけど僕がいたら...しーは、迷惑...なのかな... たしかに僕は、しーの子供でもなんでもない。ただの、たまたま拾われてきただけの他人。ずっとしーと一緒にいられると思ってた。ずっと一緒にいたいと思ってた。でもしーは、それを望まないんだね。 じんわりと目頭が熱くなって、鼻の奥がツンと沁みた。 僕がしーのうさぎさんとしてできることって何だろう...? 唇を強く噛み締める。 僕が迷惑をかけないように、ここからいなくなったら...せめて、嫌いにならないでいてくれるのかな? しーは僕のこと、好きなままでいてくれる? 麗はベッドから立ち上がって寝室を抜け、ぬいぐるみを抱いたままゆっくりとその扉に向かって歩き出した。 大丈夫、大丈夫。麗はしーのうさぎさんだから...いい子にできる。 泣いちゃダメ。 頬を流れ落ちる涙を何度も何度も拭いながら、麗は扉の前まで来た。 扉の前にぬいぐるみを置き、ドアノブに手を伸ばす。初めて触れた銀色のノブは、ひんやりと冷たい。麗の力でも簡単に開いてしまった。 よかった...鍵、かかってない。 麗は、最後に少しだけ振り返った。 「うーちゃん...バイバイ...」 大好きな匂いを肺いっぱいに吸い込んで、初めて1人で部屋を出た。

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