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今度はしっかりと鍵をかけて部屋に入り、獅琉はすぐに寝室へと向かった。じたばたと暴れる麗はベッドに放り投げて、腕をシーツに押さえ付ける。 見下ろした麗の頬には、涙のあとが幾筋も残っていた。 「おい。」 「や...っ!」 獅琉の視線から逃げるように横を向いた麗の顔を片手で掴み、無理矢理視線を合わせる。 「やじゃねーだろうが。なんでこの部屋から出たんだ。何回も何回も言ったはずだ。なあ?」 「...っ...う...」 「泣いても駄目だ。」 「だって...っ」 「だって?」 ひくひくとしゃくりあげながら麗は小さな口を開いた。 「ぼく...っ、しーの...うさぎさんっ、から...」 「あぁ」 「あのねっ...いいこに...しなきゃ、って...ひっく...ねがい...きらい、ならなっ...で...うぅ...」 いい子?嫌いになる? 「お前何言って...」 「ひぅっ...ちゃ、と...めいわく...っかけない...ひっく...ごめ、なさ...っ」 「何言ってんだ...。麗、分かったから。俺も怒って悪かった。泣き止んでからゆっくり話せ。」 泣きながら謝る姿を見てしまえば、怒っていた気持ちはたちまちどこかへ消えてしまった。拘束していた腕を解放し、向かい合うように麗を膝に乗せて指で涙を拭ってやる。 どんな気持ちでいい子になるから、嫌いにならないで、と言ったんだろう。そんなことを言わせたかったんじゃないんだ。 俺はただ、お前に幸せになって欲しいだけなんだ。 「うう...っしぃ...しーっ...」 「ん...ここにいる。」 「ふぇ...っ」 ぐずぐずと泣く麗の背中を撫でながら、考えた。 自分の気持ちを、隠すことなく麗に話そう。 「なぁ...麗...落ち着くまで俺の話、聞いてくれるか」 「んぅ...っ?」

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