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かわいいピロートーク(本物編)

   だだっ広い風呂場。床に友樹を座らせて、ぬるま湯設定にしたあとなにも言わず頭からぶっかける。  シャツは着たままでも下はなにも穿いてない状態だが、気にせずびちょ濡れ。 「……」 「……」  冷たいわけでも熱いわけでもない湯に友樹は黙ったまま。  ふぅ……まずは落ち着け、俺。  気絶させたのはあのうるさい口を塞ぎたかったからだ。とくに驚く事もなかった友樹だが、実際はわからない。  今日会ってずっと言わなかったけど、まだつけていた二人のピアス。友樹は左耳に、愁哉さんは右耳にそれぞれ同じものをつけている。  なにを思って外さずそのままにしているのかは知らないし、知ろうともしない。  今。外してほしいとは、正直思ってるが。 「はぁ……友樹、ここに跨ってくださいよ」  俺自身、そんな気持ちを思っていた事に溜め息を吐きながらシャワーの湯を出しっぱなしで俺は床に座り、胡座姿で自分の太もも辺りを手で叩く。 「あゆむ……服、濡れるぞ」 「いまさら」  友樹にシャワーの湯をぶっかけた時から俺にも跳ねてきた水。  ちょいちょい服に染み込んでいたが、座るとそうはいかない。ジーンズに下着までもう濡れてるっつの。  でも、ここまできたら二人一緒にずぶ濡れでも構わないだろう。 「それよりほら、はやく。ナカのもの掻き出さないと腹痛で苦しみますよ」 「……」  いつまでも来ない友樹に手を握って軽く引っ張ると、流れるように立ち上がり、俺に跨ってきた。緩く首あたりに腕が回ってきて、友樹の吐息が耳にクる。  シャワーの水圧を弱めた後、隣に置いて流しっぱなしのままシャンプーやリンスなど置いてある棚に手を伸ばしてローションを取った。  終わったばかりだし、出すだけだから少量でいいか。  友樹の肩越しから自らの手を覗き込み、ぎゅっと出したローションを片手で馴染ませてから先ほどまで使いこなしていた尻穴に触れる。 「ふっ、ん」 「あんま感じないでくださいよ、勃っちゃうでしょー」 「んっ……」  わかってないな、友樹は。  さらに強く締められた首だが息が出来ないほどではない。  そもそも人選ミスをしたからって、中出しされたからって、俺がやらなくてもいいわけだ。友樹自身、一人で出来るはずなんだよ。……俺がやるけど。つーか俺が、かき出したいだけなんだけど。  緩く流れ出るシャワーの水音に紛れたもう一つの音。くちゅっ、と音を立たせながらまだ柔らかい尻穴に人差し指と中指の二本をいれる。  広げるように少しずつ動かせば友樹は色っぽい声を控えめで出し始めるが、本人はおさえてるつもりだろうから、なにも言わない。 「気持ち良かったですか?今回の」  あ、指先になにかがあたった。  そう思った時にはゴポゴポと流れ出てきた液。おそらく愁哉さんの精液。 「……んーん」 「気持ち良くなかった?ディルドも?」  ひとまず指を抜き、置いておいたシャワーで手についた液を洗い流しながら、また同じ繰り返しで二本の指をいれる。周りに付いてるローションを頼りにしたおかげでヌルヌルだ。  今の友樹ならすぐにでもナカに挿入られそうな気がする。 「あれ、はっ……わかんねっ」 「いま感じちゃだめですって。じゃあ友樹の体はオモチャとか合わないんですかね?」 「んん……」  しばらく穴を広げてて、俺の手首にまで伝ってくる白濁に嫌気を感じながら、ある違和感を友樹に聞いてみた。 「……嫌がる素振りも見せないから、てっきりイイものなのかと思いましたよ」  嫌がる姿も見れると思ってたんだよ。けど見れなかっただろ?  抵抗の言葉もなかったし、俺を見て縋るわけでもなかった。  今回のは、二人の世界が出来ていたんだよなー。  

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