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余談

   果てた勢いで俺と友樹の間は精液まみれ。  一気に疲れが出てきて支えてる友樹のことが少し苦に思うが、この重さがちょうどいいという考えもあって、離れるに離れられないでいる。  あ、カメラ……。  無様に転げ落ちてる新しいカメラもレンズはちゃんとこっちを向いていた。けどちゃんと映ってないと思うし、俺としては半分残念な気持ちと半分どうでもいいような気持ちでグラグラだ。 「はっ、はっん……」 「いったん抜くぞ?」  俺の言葉に頷く友樹を見て、耳に残るようなローションの音とともに穴からモノを抜けば俺も友樹も一緒に横たわるという、奇跡。  いや、疲れた。  それと気持ち悪い話……幸せだったなぁ。 「はぁ……なんか、前とは全然違うな……」 「……体位のせいだろっ」 「素直じゃないなぁ、ここは喜ぶべきだろー」 「……」  息が上がる。なかなかおさまらないな……。無駄にアツいし。  最中の俺、なんか口走ったような気がする。 「……まあウソじゃないんだけど」 「んっ、なにが……?」  聞こえてたか聞こえてないか、問題はそこであり、そこじゃない。  でも掘り返される前に柔らかい友樹の頬をムニュムニュと触りながら体のピロートークを始めるとしよう……。  あー……というか、次に思い浮かぶ妄想は……友樹から騎乗位をしてくれるところだよなぁ。それから自分で気持ちイイところを見付けて、勝手に腰振って喘いでぐでぐでになったところに俺が腰を突き上げて、みたいな。  そんで勝手に後ろだけでイってくんねぇかなー? 「ねぇ、友樹。実はまだハメ撮りやりたいんだけど……」 「あぁ?まだ続けんのかよ」 「だからDVDでまとめてあげるから見てみ?自分の良さを知ろうぜ!」 「……」  ふぅ……。  たまに思うのが、あんなにも俺を好いてくれてるはずなのにこういった冷たい目で俺を見てくる友樹。……さっきまであんなに声を出して喘いでいたのに、俺相手にも割り切ることが出来るって事か?  そんなすぐにクールな友樹を出されたら、言えるもんも言えなくなるだろー? 「半分のジョークで受け取れってー」 「全て本気だろうが」 「あーあー、可愛い友樹よ戻ってこーい」  呆れた表情を浮かべつつ顔を逸らさないでいてくれる。寝転がりながら向かい合って、いつの間にか手も繋いでて、友樹の頬を触るのもやめずに、時たま黒髪を撫でる。  こんな友樹でも、セックス中の友樹でも、喧嘩するような友樹でも、全部の友樹を愛しく想えてるから不思議だ。本当に本当に、不思議でしょうがない。  不思議でしょうがないが、ハメ撮りについて一つ思った事。――俺が言い出して、実践させた行為は全てそれほど酷くないだろ?って話だ。  今後も活躍させるために俺と友樹のハメ撮りをするかもしれないし、しないかもしれない。  日本語って便利だな。曖昧な言葉で終わらせる事が出来る。良いところで、悪いところだ。勘違いさせて、そうじゃない。 「友樹、言っとくけど俺ちゃんと好きだよ。だからさ、」 「なッ、また……!」 「うん。だからたまにでいいから、俺とハメ撮らせてよ」  もしかしたらまた組み合わせたいものが出来ちゃうかもしれないだろ?  殴られるかもしれない発言に一瞬、振りかかってくるかもしれない拳を受け取る構えをしていたんだが、 「考え、とく」  ここで初めて目を逸らした友樹のその表情は、満更でもない気がする表情。  これは、どう受け止めようかな。 「じゃあ今撮ろう!」  なんだって曖昧に出来る素晴らしい世界だ。  気持ちはハッキリしているくせに。 「しねーよ、ばーか!」  最高過ぎて本当に大好きだよ、友樹くーん。 * お し ま い *  

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