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発情期

踊りが終わると、ふと下腹部が濡れていくのを感じた。 汗ではない。今夜から発情期なのか。 抑制薬を早く飲まなくては…。 けれどふと天雨さんを見つめてたら、この人と肌を重ね合わせるのはどんなに気持ちがいいのだろうという悪魔のような好奇心が身の内から湧き上がり、制御出来なくなってしまった。 「流鶯、少し踊り疲れただろう。見事な舞を見せてくれた礼に部屋で茶でも淹れてやろう。イケる口なら酒でもいいが。」 何も気がついていない天雨さんは、僕を弟のように思ってくれて部屋に誘ってくれた。 「はいっ!じゃあ、飲んだこと無いけど、お酒を飲んでみたいです。」 部屋で薬を飲むと言って水を貰い、僕が飲んだのは抑制薬では無く、の方だった。 故郷に帰ればまた何もない普段の日常になる。 たった一度の過ちでいい。天雨さんとの想い出をくださいと心の中で詫びた。

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