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33.クソ不味い
なんだかんだ言っててもさ、キスされるともうダメなんだよな。スイッチが入っちゃうって言うか。口の中で舌と舌がこすれ合うともうゾクゾクしちゃって、一気に熱が腰のほうに集まっちゃうんだ。
「ん、ん……っ、ふ……っ、はぁぁ、もっと……」
キスの続きが欲しくて、首に手をまわして、オレの方から亮介の唇を引き寄せた。
「キスしてるだけなのに、智の腰揺れてる」
「だってぇ……、亮介ぇぇ……」
キスしただけで欲しくなってしまうんだ。一番感じる場所への刺激が……。
「1回イカせたげる。……その方がラクでしょ」
そう言って亮介はオレの前に跪いてきた。口をあけてオレのを銜える。上目遣いでオレを見ながらゆっくりと動かしていく。
オレはそれから目を離せないんだ。頭に血が上って全身に鳥肌が立ったようなる。もう普通には立っていれなくて、お風呂の壁に寄りかかりながら、それでも目は離せない。
ダメだ……、前だけじゃなくて……、欲しくなる。欲しくて、欲しくて、ガマンできない。
「あぁぁ、亮介、お願い、お願い後ろも……、後ろも一緒に、んはぁぁあっ!」
ボディソープを纏った指がぬるっと後ろに入ってくる。そしてその指はすぐ2本に増やされた。前も後ろも刺激されて頭が沸騰する。気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい……。もうそれしか浮かばない。嗚呼、気持ちいい……。
「智!、智!」
何回か自分の名前を呼ばれたような気がする。声のした方に目を向けるけど、最初は焦点が合わなくて良く見えなかった。亮介は、嬉しいような困ったような、そんな顔をオレに向けていた。
「オレ……」
「最初っから意識飛ばしてたね。大丈夫? 智ものすごく感じやすくなって、ますますエロくなってる」
「オレ、もう、トロトロだぁ」
クスッと笑った亮介にオレは抱きついた。軽い、触れるだけのキスをして、それから、ほぅ……っとひとつ、ため息をついた。悪い意味じゃないよ。オレもう、亮介無しじゃ生きていけないかも。
その気持ちは心の中で思っただけのつもりだったんだけど、口に出てたみたい。「オレもだよ」って、声が聞こえた。
「部屋に戻ろっか」
暫くしてらからそう言われて、オレたちは移動した。一瞬だけフラっとしたけど、大丈夫、ちゃんと自分で歩ける。
「今度はさ、オレが亮介のこと気持ち良くしてあげたい」
部屋に戻ってちょっとだけマッタリした後、オレは亮介にそう言った。
「智が? オレに……してくれるの?」
「いっつもオレばっか気持ち良くしてもらってるから……さ。オレもホントは亮介のこといっぱい気持ち良くしてあげたいんだ」
亮介にヘッドボードに寄りかかってもらい、それからオレは、亮介の脚の間に移動した。
実を言うとオレ、手で扱いてあげたことはあるんだけど、銜えたことは一度も無いんだ。恐る恐る亮介のモノを手に取って、ペロッと先端を舐めてみた。ちょっとショッパイ。これが先走りの味なんだ、初めて知った。
舐めてみたとき全然イヤじゃなかった。舐めたタイミングで亮介がビクッと反応して、それがすっげぇ嬉しい。ふと亮介の方を見てみると、ものすごくギラギラした目でこっちを見ていた。その目に煽られて、思わず舌なめずりしてから亮介のを咥えた。
ビックリだ。手で扱いてあげたときより大きく感じる。こんな大きいのがオレの中に入ってくるんだ……って思ったら、ちょっと後ろが疼いちゃった。イカンイカン、今は亮介を気持ち良くしてあげるんだった。
まずは先端を舐めまわして再度先走りを味わってみた。うん、やっぱりこの味キライじゃないや。もっと出るかなって思って、ちゅうちゅうと吸って味わってみた。それから、くびれのところに舌を這わせて擽るように刺激して……、亮介がオレにしてくれるのを思い出しながらいろいろやっていく。もちろん根元の方は手で扱いて、空いてる方の手はやわやわと袋を撫で回しながら。
今亮介は気持ち良くなってるかな? ちょっと心配になって咥えたまま伺ってみた。目が合った途端に、オレの口の中にいる息子さんがますます大きくなったし。亮介はオレの方をガン見してて、その顔は興奮してるみたいだった。
嬉しい。もっと気持ち良くしてあげたい。オレは徐々に動きを激しくしていった。
「智、もうイイよ、イキそう。口離して」
言われたって離すワケないじゃん。亮介はオレを引き離そうとしたけど、抵抗した。だってオレの口の中でイって欲しかったんだもん。
「う……っ、イク……」
そんな言葉とともに、オレの口の中になんとも言えない味が広がった。はっきり言ってクソ不味い。オエェ……。
「智! 飲まなくていいから。ほら、吐き出して!」
焦った亮介の声を聞きながら、オレは無理矢理亮介の出したモノを飲み込んだ。なんかノドにひっかかる。オエェェ、気持ち悪っ。ちょっと涙目……。
「不味い、気持ち悪い。亮介ぇ、こんな不味いモン、何でいつも飲むんだよぉ」
「智のは美味しいの」
絶対ウソだ。オレのだけが美味しいワケがないじゃん。
ゴメン亮介、この味無理……。
そんなこと考えてるオレに、「ありがとう」って言葉が聞こえてきて、それからキスされた。亮介の舌がオレの中で動き回り、オレの口に広がる不味い味を消し去ってくれてるようだった。オレもキスに没頭して舌を絡める。もうそれだけで、他のことはどうでもよくなるんだ。
「今度はオレの番だね。智をいっぱい気持ち良くしてあげるから」
きっとオレは、トロンとした目で亮介を見てたと思う。
うん、いっぱい気持ち良くして……。
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