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第3話 ノンスタンダード
僕は今日のパトロールを終えて、本部に戻って来た。
リンリーに出会うことも無く平穏に終わったけど、非常に疲れた。
たぶん、昨夜も遅くまで、ブルーとナチュラルちんリウムで抱き合っていたせいもある。だけどそれは仕方がないことだ。僕はブルーが大好きだし、毎日…いや四六時中繋がっていたいんだもの。
ふぅ…と小さく息を吐いて部屋に向かっていると、キッチンから甘い匂いが漂ってきた。
甘い物が大好きな僕は、匂いに誘われてキッチンのドアを細く開ける。中では、マルーンが鼻歌を歌いながら、何かを作っていた。
「いい匂い…。マルーン、何を作ってるの?」
「あ、レッド、パトロールお疲れ様。今ガトーショコラを作ってたんだ。先に出来上がったのがあるから食べる?」
僕に気づいたマルーンが、トレイの中のガトーショコラを切り分けて、皿に乗せてくれた。
「ありがとう。部屋でゆっくりと食べるよ」
「ブルーの分もあるから、2人で仲良く食べて」
「うん」
皿を持って、マルーンに手を振ってキッチンを出る。
ブルーにも、と言ってくれたけど、ブルーは甘い物があんまり好きではない。だから、ブルーの分も僕が食べようとウキウキとしながら、足取り軽く歩き出した。
僕の部屋がある方へと角を曲がろうとした時、前からきた誰かにぶつかりそうになった。
「わぁっ!あっぶなー…」
「おっと、すまなかったね」
ガトーショコラを落とさなかったことにホッとして、顔を上げた。
「あ、ちん……ブラック司令塔」
「ん?レッド、今ちんリウムって言おうとした?」
「まっ、まさかぁ。司令塔はどこ行くんですか?」
「ああ、ちょっとピンクの所へ…」
「ふ~ん…」
ピンクと聞いて、昨夜のことを思い出す。
ピンクとグリーンが僕の部屋に来て、尻の穴の広げ方を聞いてきたのだ。
顔を赤くしながら聞いてきた2人、可愛かったなぁ。でも、普通にほぐしてたら入ると思うのだけど。もしや、司令塔やオニキスも、ブルーと同じ規格外のちんこ?
そう思ったらすごく気になってしまい、僕は皿を持っていない方の手で、司令塔のマントを掴んで持ち上げた。
「わおっ」
「ちょっ!レッド、何をするっ!」
司令塔が、慌ててマントを引っ張って前を隠したけど、僕はしっかりと見た。
なんでいつも裸にマントの変態丸出しな格好をしてるのか知らないけど、マントの中の司令塔のちんこは、ブルーに匹敵する規格外に近いものだった。
「へぇ。そりゃあ、ピンクも努力しようと思うよね。司令塔、可愛くていい恋人がいて、幸せだね」
「へ?あ、ピンクのこと?ああ、彼は私には勿体ないくらいだ。だからと言って、手放す気はさらさら無い」
「うんうん、手放しちゃダメだよ。司令塔を変態だと思ってないの、ピンクだけだからね。じゃあ、僕は部屋に戻るから」
「あれ?今私をディスらなかったかな?それと!私の椅子はエロい事をする場所ではない!ブルーにもよく言っておくように!」
後ろからわぁわぁと叫ぶ司令塔に手を挙げて、部屋へと向かう。
やっと食べれる!と勢いよく部屋のドアを開けて中に入ると、僕の大好きなブルーが、僕のベッドで寝ていた。
ブルーの姿を見た途端、僕の中に幸せが充満する。
僕の中の闇も、全部幸せで覆い尽くしてくれる。
僕は、つい先程まであんなに食べたかったガトーショコラを机に置くと、ブルーの隣に寝転んで、ピタリと身体を寄せて、端正な顔を眺めてキスをした。
すぐに僕の背中に腕が回され、強く抱き寄せられる。
眠そうに目を瞬かせて、ブルーが欠伸をしながら聞いてきた。
「遅かったな…。大丈夫だったか?」
「うん。何事もなかったよ」
「ならいいけど。でも、やはり1人で行かせるのは心配だから、明日は2人で行くぞ」
「わかった。ありがとう、ブルー。大好き」
「俺もだよ、レッド」
ふふっと笑って、顔を寄せてキスをする。何度も何度もキスをして、甘い物よりも大好きなブルーの規格外のモノを、パクリと食べた。
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