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柴崎の彼女⑥
うー寒い。つか痛てえ。どこだ?腰か?ケツか?
それなのに部活にくる俺って偉くね?
新田いない時サボろう。
「もー。根屋先輩!」
振り返ると女子マネがいた。
「あ、村田どしたよ?」
「言ったじゃないですかー。柴崎さんに彼女がいるか聞いてって」
「あ?それついこの前の話だろ?」
「女の子の恋は早足ですぅー」
見るとコートの端に柴崎と女子マネがいた。
「坂野?結木じゃねーの?」
「何言ってるの、事前のリサーチですよ」
『あー結局その話できなかったなあ。いるのかなあ』
坂野がパタパタと戻ってきた。女子マネも集まる。
「おい、俺の周りに集まるなよ」
「ちょっと待って先輩。今大事なところ!」
パワー負けして黙る根屋。
「柴崎さんねー彼女いるんだってー!!」
「うそー!わからない~。他校生かなあ?」
「うーん。キツイけど結木ちゃんに伝えないとね・・・」
『何だよ、女いんのかよ。で、男と遊んでいいご身分だな』
根屋はジャージを口元まで上げ、歯をくいしばっていた。
「ねえねえ、どんな子かは聞けた?」
「うん。あのね明るいネコっ毛のわがままな人なんだってー!」
「えー?柴崎さん振り回され系?超意外ー!」
『・・・明るい色のネコっ毛・・・??』
「でねでね、ちょぴりエッチな子なんだってー!」
「キャー!何それ何それ、やばくない~。やばくない~。」
「でもね、超ラブラブらしいよー」
「やーん。柴崎さんがノロケてる~。かわいー!」
『明るい色のネコっ毛で、わがままで、ちょっとエッチ・・・』
『うん。柴崎君。今日は一緒に帰ろうか?』
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