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第2Q ①
コートでは皆が軽くアップしていた。
「新田さん、二回戦和光でしたよね?去年イケたから
落ち着いていけば大丈夫かなあ?」
「んー。三年はほぼ同じなんだが、二年でレギュラー入りしているヤツがいるんだよな。
ちょっと未知数で気になるが、お前みたいに手足が長くてな。
パワーフォワードとかだったらちょっと厄介だよな」
ピーッ!
第二試合が始まった。
『んー。新田さんの言った通り、あの二年はパワーで来るタイプだ。
身長もある。190くらいか?根屋先輩は175くらいだ。
それにウチには抜きんでてる大型選手はいない。
シュートブロックをかけられるかもしれない』
柴崎の嫌な予感はことごとく当たった。
根屋の指示がなかなか皆に伝わらない。
『二枚つけるべきだったのかな・・・戻りも早い』
あっという間に第1Qが終わってしまった。
二分間でドリンクとタオルを差し出す。
第2Qが始まった。得点は僅差だが、向こうの二年には少々手こずっていた。
『やはりあの二年生が得点源の中心か・・・』
『ん?』
急に柴崎の顔色が変わり、組んだ指に力が入る。
「どうした柴崎?」
「すみません。新田さん、アップお願いしてもいいですか?」
「何かあったんだな」
そう言って新田は席を立つ。
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