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順位決定戦
準決は準決勝に残ったチームで争われる。
ただ、もうウチに力は残っていなかった。
五月さんの体力も限界だったし、二年生はついていけていなかった。
総合五位・・・これが相生のすべてだった。
控室で皆無言で片付けを始めていた。
「あれ?新田さん。根屋先輩は?」
「ん?どこ行ったアイツ?」
「ちょっと見てきます」
俺は控室を出て会場を回りだした。
「絶対、順位のせいに決まってるんだよな」
「ん?だったら会場内ウロウロしてないんじゃないか?」
柴崎は会場の外に出てホールの外回りを走る。
「やっぱりいた!」
根屋はホールの壁に隠れるようにもたれていた。
「五月さん!」
「柴崎・・・」
「どうしたんです?皆心配していますよ?さ、戻りましょう?」
根屋は柴崎の胸の中に飛び込み、
「最後の、最後のウインターカップだったんだ!」
「・・・そうですね。でも五位ですよ?日本で五位ってとんでもなく、すごいですよ?」
「そんなの意味ない。トロフィーは無理でも三位のメダル、お前にかけてやりたかった!」
必死に涙をこらえながら、根屋は思いのたけをぶつける。
柴崎は根屋を包み込むように大事に抱きしめた。
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