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君は可憐で愛らしい

向かい合って、お兄ちゃんの膝の上にちょこんと座った。 真っ直ぐに見詰められ、ドクンドクンと心臓が今にも飛び出して来そうになった。 「お兄ちゃんと未知は・・・親子という運命の赤い糸で結ばれているんだ。このまま、駆け落ちして、お兄ちゃんと暮らさないか?」 意味がいまいち分らず、顔を上げると、お兄ちゃんの顔が近付いて来て、気が付いたら唇に口付けをされていた。 「もしかして初めて?」 きょとんとする僕に、お兄ちゃんは満足そうに微笑んだ。 「お、お兄ちゃん!!」 やっと状況が飲み込める様になり、顔から火が出るくらい恥ずかしくなったのはいうまでもない。 「未知・・・教えてあげる。出生の秘密を。その代わり、未知の初めては、全部お兄ちゃんが貰うからね」 お兄ちゃんが話してくれた事実は、15才の僕にとってあまりにも衝撃的だった。 それまで信じていたものが一気に崩壊し、絶望の淵へと突き落とされた。 「父と柚奈さんが結婚したのは、お兄ちゃんが12歳の時。父が夜勤で留守な時を狙って、柚奈さんが、ベットに潜り込んでくるようになって・・・やがて、柚奈さんが妊娠して・・・父はすべてを知り、お兄ちゃんは追われる様に家を出たんだ」 「・・・じゃあ・・・お兄ちゃんが、僕の本当のお父さんなの?」 「あぁ、そうなるね。だから、惹かれ合のは当然ーー互いを求めあうのもごく普通の事なんだ。未知、お兄ちゃんのこと・・・ううん、パパのこと、好きだろ」 にわかには信じられなくて、言葉をどう返していいか分らないでいたら、膝裏を掬われ、ふわりと体が宙に浮いて、冷たいシーツの上に寝せられた。 「少なくとも、パパは未知が好きだよ・・・」 何をするかとぼんやり見ていたら、お兄ちゃんが服を脱ぎ出した。 「お、お兄ちゃん!!」 吃驚してあたふたしていたら、筋肉隆々の均等の整った大きな広い体が、僕の小さな痩せっぽっちの体に重なってきた。 その中心は、お腹にくっ付くぐらい反り返り、赤黒色の雄の塊が凶器に見えた。 「未知・・・そんなに震えないで・・・怖くないから・・・少しだけ我慢すれば、癖になるくらい気持ちよくなるから・・・ね」 額に啄むような口付けが降りて来て、ボクサータイプの下着の中にお兄ちゃんの手が入ってきた。 部屋の中は、蒸し返るように暑いのに、僕の心は急速に冷たく凍り付いていった。

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