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彼に一途に愛されて

家に帰っても彼の機嫌は直らなかった。 橘さんにはほっとくのが一番そう言われたけれど。 はぁ~~ もはや溜め息しか出ない。 「何、溜め息ついてるんだ」 クスッと笑い声が後ろから聞こえてきて、振り返ったら腰にタオルを巻いただけの彼がいて、驚く間もなく逞しい二の腕に抱き締められた。 髪も、体もまだしっとりと濡れてて。 ろくに拭かず急いで上がってきた、そんな感じだった。 一太とお風呂に入っていたはずなのに。あれ、何で? 「橘が面倒みているから安心しろ」 ふわりと体が宙に浮いて。 気が付けばお姫様抱っこされていた。 「未知、俺の面倒みてくれ。我慢出来そうにない」 タオルからちらっと顔を出すソレは完全に勃ち上がり、反り返っていた。 初めてみる彼の雄。 息を飲むくらい大きくて、お腹にくっつくくらい長大で。 それを見たその瞬間、頬から耳まで朱色に染まるのが分かった。 「嫌なら止める」 ちょっ、ちょっと‼ 卯月さん‼ 一太が、まだお風呂にいるんだよ‼ 「一太は橘に任せておけ」 そんな・・・ 手足をばたつかせ、無駄だと分かっていても一応抵抗を試みた。 でも結局、有無言わさずそのまま書斎に連れて行かれた。 「未知、こっちを向くんだ」 彼の膝の上にちょこんと座り、抱き寄せられて向かい合った。 恥ずかしくて目のやり場に困り、視線が宙をさ迷う。 「嫌いになったか?」 頬を両手で包まれ彼と目が合った。 「嫉妬深いし、焼きもち妬きだし」 自嘲する彼。 均等の取れた肢体が眩しい。 「わりぃな、未知があまりにもかわいくて、抑えが効かなくなるんだ」 ぶんぶんと首を横に振った。 「未知は優しいな」 欲情に濡れた真剣な眼差しでじっと覗きこまれ、心拍数が一気に跳ね上がった。

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