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プロポーズ
さっきの話しって・・・?一体何の事かすぐに思い浮かばなくて。首を傾げると、あのな・・・大きい溜息を吐かれた。
「メモ帳とペン」
何を始めるのか見当もつかなかったけれど、ポケットからメモ帳とペンを取り出した。
「まず一番最初に、昇るに龍って書いて、最後に会う」
彼に言われた通りメモ帳の一番上に”昇龍会”って書いた。
「根岸が言っていた事を説明してやる。覚えておいて損はないから。その下に、縣の組と、俺の組・・・もしかして忘れたか?」
くくっと悪戯っぽい笑みを浮かべる彼。
ちゃんと覚えていますから。縣一家と、龍一家でしょう。
頬っぺたを膨らませ睨んだ。
「怒った顔もなかなか可愛いな」
って全然懲りていない。
「あまり笑わせるな、一太が起きてしまう。でな、縣と俺のところが直参と呼ばれる二次団体で、その下に手嶌組を始めとする三次団体、更にその下に四次団体があってピラミッド型の組織を形成している。根岸が言っていた播本っていう男は、伝説のヤクザと呼ばれている男でーー俺も実際会った事がないが、設立当時ただ一介の下っ端だった昇龍会を、縣と俺の父親と共に今の規模に広げたんだ。それが二十年年前、突如として表舞台から姿を消した。根岸も写真でしか見た事がないらしい。それも一回だけ、父が隠していたのを盗み見たらしいが・・・」
思わせぶりな態度を見せ、一旦言葉を止める彼。
彼が言いたいのは、その播本さんっていう人が茨木さんじゃないかっていうこと。そうじゃなかったらあんなに驚かないもの。
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