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監禁

太陽の光が一斉に建物の中に入ってきた。暗闇に慣れた目には、眩しすぎて何も見えず、瞼をしばたたいた。 「颯人や、お前が用があんのはオレやろ?未知は無関係やろ?ちゃうか?」 顔が光に反射してよく見えない。 でも、その声には聞き覚えがあった。 普段と喋り方が全く違うけど。この声の主は、間違いなく茨木さんだ。 「少し話しをしようか」 「何を今さら・・・実の父を殺しておいて、あんたと話すことなんてない」 憤慨に狂気めいた殺意をこめて吐き捨てると颯人さんは茨木さんの肩を強く押した。 「待てや」 外に出ようとした彼を、茨木さんが止めた。 「今出たら未知の旦那に半殺しされるぞ。それだけじゃない、昇龍会、龍一家の若い衆にボコボコに袋叩きにされるぞ」 「冗談だろ?」 颯人さんは茨木さんを睨み付けた。 「未知はな、龍一家にとって嫁であり、昇龍会にとっても、目に入れても痛くねぇくらい可愛い甥っ子なんだ。言ってる意味分かるだろ?」 茨木さんの言葉に、颯人さんの顔色が一瞬で変わった。 「尊さんだっけ?あんたにも話しがある」 茨木さんの他者を寄せ付けないオーラに形勢が一気に逆転した。 「未知、悪いが付き合ってるか?旦那に会いたいだろうが、少しだけ、我慢してくれるか?」 茨木さんの手が伸びてきて、僕の腕を掴んでいたお兄ちゃんの手を払い除けた。 真摯な眼差しは、どうしても伝えたいことがあるんだ、そう言ってるようで。 今すぐに彼のところに飛んでいきたい、その気持ちをぐっと堪えて頷いた。

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