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告白~虐待の連鎖をとめるために~

「巷じゃあ、伝説のヤクザって呼ばれてるが、ただ、口喧しいだけの昭和のヤクザだよ」 苦笑いを浮かべながら、二十年前まで、播本と呼ばれていたこと。跡目相続に端を発した内部抗争が勃発し、茨木さんを庇って、同時舎弟だった颯人さんのお父さんが命を落としたことを話してくれた。 ヤクザを辞め、第一線から姿を消したのは、同時まだ小学生だった颯人さんと、彼のお母さんの命を守るため、そして身内同士の抗争に終止符をうつために自ら身をひいたのだった。 「離婚した前の妻との間に子供が二人いてな。長男は昇龍会に残り、組長の一人娘と結婚し、いまは若頭だ。長女は・・・」 そこで茨木さんは一旦言葉を止め、僕の方を向いた。慈しむような優しい眼差しで見詰められ、目が合うとにっこりと微笑み返してくれた。 「未知は母親にそっくりだな。我慢強いところや、少し気が強いところが・・・」 茨木さんのその一言ではじめて気が付いた。彼が母さんのお父さんだということ。赤の他人じゃなくて、血の繋がっているお祖父ちゃんだということを。 今更だけど、ようやく。 だからこの三年、親身になって僕や一太の面倒をみてくれていたんだ。 目蓋の裏が熱くなるのをひしひしと感じた。泣いてる場合じゃないのに。しっかりしないといけないのに。

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