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告白~虐待の連鎖をとめるために~

「母親に引き取られた娘は、新しい父親になった男に性的虐待を受けて、14才の時妊娠したんだ。真実を闇に葬るため、母親に堕胎させられそうになり兄に助けを求めて家を飛び出したんだ。未婚の母として、水商売で働きながら子供を育てた。そんな時だ、未知のお父さんに出会ったのは。 性的虐待を受けたトラウマはなかなか根が深くてな、虐待の・・・負の連鎖を繰り返した。娘から性的虐待を受けた尊さんが、未知に同じことを・・・同じ過ちはどこかで止めなきゃならねぇんだよ。こんな悲しいことを2度と繰り返さないように。尊さんよ、言ってる意味分かるだろ?颯人も分かるだろ?」 二人とも頭を深く垂れていた。 「3年前、未知の母さんから連絡が来たとき、同じことを息子にしてしまったと電話口で泣いていたよ。ほんとは、自分の手元で産んで欲しかったんだと思う。それが出来ないから、オレに託したんだ。卯月とはちょっとした知り合いでな。本人は気付いていないが、彼だったら未知や一太を幸せにしてくれる。だから今度こそ幸せになるんだぞ。おっと、噂をすれば」 茨木さんがくすっと声に出して笑った。 「未知‼未知‼」 恥ずかしくなるくらい名前を連呼して。彼が大慌てで駆け付けてくれた。 「未知大丈夫か?怪我は?どこか痛いところはないか?」 体のあちこちをくまなく見られて。ますます恥ずかしくなった。大丈夫って、何回も頷いているのに。心配性なんだから。 「未知の身に何かあったら、そう思うと気が気じゃなかったんだ。良かった無事で。一太は橘がみてくれてる。元気だから安心しろ」 一番気掛かりだったことを教えてもらい、緊張の糸が一気に解れた。良かった。無事で・・・ 彼の広い胸に抱きしめてもらい、涙が出るくらい嬉しかった。 やっと会えたんだ、大好きな彼に。ようやく実感が沸いてきた。 「卯月さん、よく我慢出来たな」 「若いのに今の今まで制止されていたんだ。押さえるの大変だったんだぞ。播本さんを信じろって何度言っても耳さえ貸さねぇし」 彼のあとに続いて姿を現したのは拝島さんだった。動物園で一度会ったきり。確か、手島組の・・・

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