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彼の暴走
翌朝、起きてきた彼に【遥琉さんの嘘つき】頬っぺたをこれでもかと膨らませ睨み付けた。
「そう怒るな」
って全然悪びれる様子もなく、一太と遊び始めた。最後までしないという約束だったのに。あのままくっついて寝るはずだったのに。結局、悪い、我慢できないって言い出して。前も後ろもいっぱい攻められて、嫌ってくらいたくさん泣かされた。
子供は幾らでも欲しいって彼。
ベビハルが産まれたら、すぐ、三人目を作ろうな、未知。意識が朦朧とする中そんなことを言われた。
「そうだ、未知。安定期に入ったら引っ越しをしよう。小学校近くにいい物件があったんだ。幹線道路から離れた住宅街ですごく静かで、そこなら一太やベビハルが伸び伸びと遊ぶことが出来るんじゃないかな?」
「勿論、私も同居する予定でいます」
橘さんも話しに交ざってきた。
「何度も言うが、お前は実家に住め」
「私がいたのでは、新婚生活の邪魔になりますし」
「俺らも新婚だ」
「私には一太くんと、ベビハルさんの面倒を見る重要な役目があります。あなたは安心して、未知さんと三人目、四人目を作ったらいいでしょう?」
橘さん、赤面するくらい恥ずかしい言葉を淡々とした表情でごく普通に口にしていた。
「うちの子を気安く呼ぶな」
「何故ですか?」
「何故って・・・」
橘さんにはどう頑張っても、口では負ける彼。
「私とって二人は息子みたいなものですよ。それを取り上げる権限あなたにはないはずですよ」
容赦ないツッコミに早々に白旗を上げていた。
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