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番外編 大切な家族と歩む未来
【い、ち、た・・・は!?は、る、か・・・は?】
ここにいない子供たちの名前を必死で紡いだ。
「二人とも親父がみてるから安心しろ」
お義父さんにもまた迷惑掛けちゃったね。
「未知、誰も迷惑だなんてこれっぽっちも思ってない。むしろ孫の面倒見はワシに任せろって張り切ってるから。なぁ」
彼に元気付けられて、うんと頷いた。
コンコン。遠慮がちにノックのする音がしてきて、裕貴さんが顔を覗かせた。
「未知起きたのか!?」
「あぁ」
「心が、少し話しがあるみたいなんだ。入ってもいいか?」
「構わないよ」
橘さんがすっと立ち上がり、座っていた椅子を、彼の隣に移動させた。
「ほら、心」
「やっぱりいい!!」
「何がいいだ」
扉の向こう側で二人の言い争う声が聞こえてきた。
「いやだって言ってるのに」
裕貴さんに無理やり手首を掴まれて、心さんが病室に入ってきた。
「心、何度も言うが、誰のせいでもないんだ。未知だってきっとそう言うはずだ」
「そうですよ」
彼と橘さんに諭されてずっと俯いていた心さんが静かに顔を上げた。唇を一文字に結び、赤く腫れ上がった目蓋を手の甲でごしごしと拭った。
「未知、ごめんね。僕、何も出来なかった。本当は未知を守らなきゃならなかったのに。そんな自分が情けなくて・・・ーー」
最後は涙に飲み込まれ、泣き崩れた。心さんは遥香を守ってくれた。何も出来ないのは僕の方だよ。だから、そんなに自分を責めないで。どうしても心さんに気持ちを伝えたくて、よろよろと体を起こした。そのとき、右の脇腹にチクリと刺すような痛みを感じ、思わず手で押さえた。
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