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番外編 大切な家族と歩む未来

「ほんと昔と変わらないね」 千里さんがハハハと声を立て笑いだした。 「遥琉より大事なモノ、見付けられたんだ。良かったじゃん、お兄ちゃん」 ん⁉今、確かお兄ちゃんって・・・ 聞き間違い⁉ ううん、聞き間違いじゃない。思わず起きあがった。 はぁー橘さんが深い溜め息を一つ吐いて、手をほどいた。 「出来ることなら、未知さんは会わせくなったんですが・・・」 「えぇ‼ひど~い‼」 千里さんの裏声なのかな⁉ またあの甲高い声が響いた。 「こんなに可愛い妹を、元彼の今カノに会わせないなんて、信じらんない」 しまいには鼻を啜りながら泣き出した。 「嘘泣きは止めろ」 橘さんほとほと困り果てていた。完全にお手上げ状態だった。 「未知、あとでちゃんと説明するから。千里、そろそろ行かないとショーの時間に間に合わないぞ」 見かねた笹原さんが助け船を出してくれた。 「今、ここで説明すればいいでしょう」 「今はだめだ」 笹原さんが千里さんの手をむんずと掴み、有無をいわさず引っ張っていった。 「あっ、そうだ‼」ガラッと扉が開いて、千里さんが再び顔を出した。 「一太くんと、遥香ちゃんだっけ⁉素直ですっごくいい子ね。今度遊びに行ってもいい⁉」 「千里‼」 橘さんの眉間にどんどん皺が寄っていく。 「私もお兄ちゃんのこと、ままたんって呼ぼうかな⁉まぁ、冗談だけど。じゃあね、未知。また来るね」 橘さんに怒られる前に早々に退散する千里さん。 「相変わらず騒々ヤツだ」彼も橘さんも苦笑いしていた。 「彼が実の弟だということが、私にとって唯一の汚点です」 「まぁ、そう言うな」 彼が橘さんの肩に手を置き軽く叩いた。 「戻って来ないとは思いますが、念のため様子を見てきます」 橘さんが急ぎ足で病室を後にした。

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