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番外編 新たな波乱の予感

千里さんと心さんがなかなか離してくれなくて。カフェを後にしてからも、あちこちと連れ回された。 やっと解放され一太が待つ彼の実家へ急いで向かったものの、待ちくたびれてお義父さんと出掛けたあとだった。遥香は彼の腕の中で穏やかな寝音を立てて熟睡していた。 布団を敷くと彼が起こさないようにそぉーと寝かせてくれた。 片付けをしようとしていたら、未知、後ろから抱き締められ、寂しかったと言わんばかりに激しく口付けを求められた。 【うぅ・・・んっ・・・】 やっと離れたと思っても、また、彼の口唇に塞がれ、口腔内を好き放題舐め回された。 【だめ、一太がいつ帰ってくるか分からないから】 手をグーにして彼の胸を軽く押した。 「う~う゛」唇をつまみ、ムスッとして不満を露にする彼。 「未知が欲しい」ウルウルした目で見詰められて。それだけでじんじんと体が熱くなった。 今さら照れてどうするんだって苦笑いされたけれど、恥ずかしいものは恥ずかしいんだから仕方ないでしょう。 耳まで真っ赤になりながら、小さくコクりと頷いた。 「恥ずかしがりやの未知、嫌いじゃないよ。おいで」 蕩けるような甘い微笑みを浮かべ、胡座をかいて座った彼が両手を大きく広げた。 ちょこんと膝の上に座りしなだれるように寄りかかりると、バンザイするように言われた。 「未知」 彼の口唇が、僕の唇に重なり、大きな手が、背中へと滑り込んでいく。 【う・・・ん、ん・・・】 たっぷりとした唾液をヌルヌルとのせた舌の腹で擦り合わされ、舌の根を強く吸わると頭が真っ白になるくらい気持ち良くて腰が抜けそうになった。 シャツを脱がされ、あらわになった肩口や、鎖骨の窪みに彼の口唇が執拗に吸い付いてきた。 【・・・もぅ・・・や・・・ひぁ・・・】 身を捩りながら切れ切れに声を上げた。

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